ホンダの航空機事業子会社であるホンダ・エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company / 以下、HACI)は1月26日、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット(HondaJet)」のロシアにおける型式証明を取得し、初号機の運用を開始した。
また、米国・本社敷地内の新ハンガー建設を完了し、その稼働を開始した。
HACIは、ロシア民間航空局(Federal Air Transport Agency/以下、FATA)から、同国の管轄官庁であるFATAが定める強度、性能、安全性、機能および信頼性などに関する厳格な基準をホンダジェットが満たしていることを証明する型式証明を取得し、今月、初号機の運用を開始した。
ロシアでの型式証明取得は、米国、欧州、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、パナマ、インド、日本、カナダ、トルコ、中国、パキスタンに続いて13番目となる。
また1月4日には、「ホンダジェット・エリート(HondaJet Elite)」の主翼の組み立てと各種スペアパーツなどの格納を目的に、米国ノースカロライナ州のピードモント・トライアド国際空港に隣接する本社敷地内に建設していた新ハンガー(※1)の建設を昨年9月に完了し、稼働を開始した。
新ハンガーの延床面積は、約7,720平方メートル。投資額は2,430万ドル(約25億円/※2)となっている。
なお、HACIは昨年10月、2台目となるホンダジェット専用のフライトトレーニングシミュレーターを英国ファーンボローに設置。今後、グローバルでのサービスやサポートの拡充も強化していくとしている。
HACI社長の藤野道格氏は、ロシアでの型式証明の取得を受けて、以下のようにコメントしている。
「ロシアの型式証明を取得し、ホンダジェットの運用が開始されたことを、とてもうれしく思います。クラストップ(※3)の性能を誇るホンダジェットは、ロシア国内の都市間移動やロシアと欧州各主要都市間の移動に適しており、この地域において、より効率的かつ安全な移動手段となるでしょう。今後ホンダジェットでビジネスジェット市場をさらに拡大していきたいと思います。
また、新ハンガーの稼働開始により、主翼組み立てとサービスパーツの供給の効率をさらに高め、最高のオーナーシップをご提供し続けていきます」。
※1:正式名称:Service Parts/Wing Assembly Hangar
※2:1USドル=約104円換算
※3:ホンダ調べ(2021年1月時点)。
[HACIの概要]
– 会社名:ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company,LLC)
– 設立:2006年8月
– 出資形態:American Honda Motor Co., Inc. 100%出資
– 代表者:社長 藤野 道格(ふじの みちまさ)
– 所在地:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市
■Honda Aircraft Company:https://www.hondajet.com/