HondaJet Elite II(Black Edition)
顧客・市場の希望に応えて機体拡大させて航続距離を延長した
本田技研工業傘下のホンダ エアクラフト カンパニー( Honda Aircraft Company、以下HACI / 本社:⽶国ノースカロライナ州グリーンズボロ市 取締役社⻑:山﨑 英人 )は米国東部夏時間の10月17日、「HondaJet Elite II(以下、エリートII)」を発表した。( 坂上 賢治 )
発表したのは、米フロリダ州オーランドで開催される世界最大のビジネス航空ショー、ナショナル ビジネス アビエーション(NBAA2022、プレスデー:10月17日、一般公開:10月18日~20日、以下、NBAA)に於いて、最新鋭機のエリートIIは小型ビジネスジェット機「HondaJet」をアップグレードした最新モデルにあたる。
エリートIIは、燃料タンクの拡張と最大離陸重量の増加により航続距離を1,547ノーティカルマイル(2,865km/乗員1+乗客3名時)に延長(従来のHondaJet Eliteから+204km)し、より遠くの目的地へ移動する事が可能となった。
また機体構造の改良では主翼にグランドスポイラー(着陸後の減速に使用される装置)を初搭載し、着陸時の機体ハンドリングと安定性を向上させたという。
静粛性と機体の安定性、更にユーザーの充足感も高める方向へ
加えて空の領域での新たな安全技術の取り組みとして、最新の自動化技術であるオートスロットル機能と緊急着陸装置を2023年末までに導入する。
HACIはこれまで複数回に渡る同機へのアップグレードで最新の安全機能アビオニクスシステムを搭載して来たが、この2つの自動化技術のエリートIIへの導入は、パイロットの負荷を軽減すると共に、機体運用の安全性を更に向上させるものだと謳っている。
HACIでは、「エリートIIは機能美に着目し、究極のオーナーシップ体験と快適性を追求したモデルです。外観デザインでは「Black Edition」(特別色)を新たに設定しました。
内装にはモダンなグレーを基調にしたスチールと暖かみのあるベージュを基調にしたオニキスの二つのデザインが加わり、また、機内通路の床材には従来のカーペットの他、木目調のデザインを選択出来るようになりました。
更に機内壁の遮音材を刷新し機内に流れ込む風切り音を抑える設計とするなど、ノイズ低減の工夫を施したことでキャビン全体の静粛性をさらに向上させました」と述べている。
今度は性能と快適性を追求し、小型ジェット機の概念を刷新していく
なおホンダ エアクラフト カンパニーの山﨑英人取締役社長は、「HondaJetによって小型ジェット機の概念を再度覆すべく、性能と快適性を追求したエリートIIを発表出来る事を嬉しく思います。
今後は更に新たな自動化技術の研究開発、導入に向けて挑戦し、安全・安心、そして自由な移動の喜びを提供して行きます」とのコメントを残している。
なお本田技研工業とHACIは、先の発表に沿ってGEホンダ エアロ エンジンズが持続可能な航空燃料(SAF)を100パーセント使用したエンジン試験に成功した事を公表。
HondaJetに搭載されているHF120ターボファンエンジンが、SAFでも通常のジェット燃料と同等の性能が見込める事が確認出来た事を踏まえ、これからも空の領域のカーボンニュートラルに向け、環境負荷の軽減に取り組んで行くと結んでいる。
HondaJet Elite IIの主なアップグレードの内容は以下の通り
パフォーマンスアップグレード
・航続距離:1,547ノーティカルマイル(2,865 km)
・最大離陸重量:11,100ポンド(5,035 kg)
・グランドスポイラーの搭載
・アビオニクスシステム改善によるスタビライズド・アプローチ( 着陸する滑走路への進入角が一定で、飛行速度や着陸形態が適正に整えられている状態 )での支援機能
新しい自動化技術による安全性向上
・オートスロットル機能(*2023年前半に導入)
・緊急着陸装置(*2023年後半に導入)
快適性の向上
・キャビン内静粛性の向上
・コックピット座席スペースの拡大(オプション)
室内デザインのオプション追加
・2種類の新インテリアデザイン(オニキス、スチール)
・木目調の床材
・コックピットの羊毛シートカバー
機体カラーに新しい特別色を追加
「Black Edition」を追加
ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company,LLC)概要
設立:2006年8月
出資形態:American Honda Motor Co., Inc. 100%出資
代表者:取締役社長 山﨑 英人(やまさき ひでと)
所在地:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市