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2022年10月18日【事業資源】

ホンダ、最新型ビジネスジェット機のエリートIIを発表

坂上 賢治

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HondaJet Elite II(Black Edition)

 

顧客・市場の希望に応えて機体拡大させて航続距離を延長した

 

本田技研工業傘下のホンダ エアクラフト カンパニー( Honda Aircraft Company、以下HACI / 本社:⽶国ノースカロライナ州グリーンズボロ市 取締役社⻑:山﨑 英人 )は米国東部夏時間の10月17日、「HondaJet Elite II(以下、エリートII)」を発表した。( 坂上 賢治 )

 

発表したのは、米フロリダ州オーランドで開催される世界最大のビジネス航空ショー、ナショナル ビジネス アビエーション(NBAA2022、プレスデー:10月17日、一般公開:10月18日~20日、以下、NBAA)に於いて、最新鋭機のエリートIIは小型ビジネスジェット機「HondaJet」をアップグレードした最新モデルにあたる。

 

エリートIIは、燃料タンクの拡張と最大離陸重量の増加により航続距離を1,547ノーティカルマイル(2,865km/乗員1+乗客3名時)に延長(従来のHondaJet Eliteから+204km)し、より遠くの目的地へ移動する事が可能となった。

 

また機体構造の改良では主翼にグランドスポイラー(着陸後の減速に使用される装置)を初搭載し、着陸時の機体ハンドリングと安定性を向上させたという。

 

静粛性と機体の安定性、更にユーザーの充足感も高める方向へ

 

加えて空の領域での新たな安全技術の取り組みとして、最新の自動化技術であるオートスロットル機能と緊急着陸装置を2023年末までに導入する。

 

HACIはこれまで複数回に渡る同機へのアップグレードで最新の安全機能アビオニクスシステムを搭載して来たが、この2つの自動化技術のエリートIIへの導入は、パイロットの負荷を軽減すると共に、機体運用の安全性を更に向上させるものだと謳っている。

 

HACIでは、「エリートIIは機能美に着目し、究極のオーナーシップ体験と快適性を追求したモデルです。外観デザインでは「Black Edition」(特別色)を新たに設定しました。

 

内装にはモダンなグレーを基調にしたスチールと暖かみのあるベージュを基調にしたオニキスの二つのデザインが加わり、また、機内通路の床材には従来のカーペットの他、木目調のデザインを選択出来るようになりました。

 

更に機内壁の遮音材を刷新し機内に流れ込む風切り音を抑える設計とするなど、ノイズ低減の工夫を施したことでキャビン全体の静粛性をさらに向上させました」と述べている。

 

今度は性能と快適性を追求し、小型ジェット機の概念を刷新していく

 

なおホンダ エアクラフト カンパニーの山﨑英人取締役社長は、「HondaJetによって小型ジェット機の概念を再度覆すべく、性能と快適性を追求したエリートIIを発表出来る事を嬉しく思います。

 

今後は更に新たな自動化技術の研究開発、導入に向けて挑戦し、安全・安心、そして自由な移動の喜びを提供して行きます」とのコメントを残している。

 

なお本田技研工業とHACIは、先の発表に沿ってGEホンダ エアロ エンジンズが持続可能な航空燃料(SAF)を100パーセント使用したエンジン試験に成功した事を公表。

 

HondaJetに搭載されているHF120ターボファンエンジンが、SAFでも通常のジェット燃料と同等の性能が見込める事が確認出来た事を踏まえ、これからも空の領域のカーボンニュートラルに向け、環境負荷の軽減に取り組んで行くと結んでいる。

 

HondaJet Elite IIの主なアップグレードの内容は以下の通り

パフォーマンスアップグレード
・航続距離:1,547ノーティカルマイル(2,865 km)
・最大離陸重量:11,100ポンド(5,035 kg)
・グランドスポイラーの搭載
・アビオニクスシステム改善によるスタビライズド・アプローチ( 着陸する滑走路への進入角が一定で、飛行速度や着陸形態が適正に整えられている状態 )での支援機能

 

新しい自動化技術による安全性向上
・オートスロットル機能(*2023年前半に導入)
・緊急着陸装置(*2023年後半に導入)

 

快適性の向上
・キャビン内静粛性の向上
・コックピット座席スペースの拡大(オプション)

 

室内デザインのオプション追加
・2種類の新インテリアデザイン(オニキス、スチール)
・木目調の床材
・コックピットの羊毛シートカバー

 

機体カラーに新しい特別色を追加
「Black Edition」を追加

 

ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company,LLC)概要
設立:2006年8月
出資形態:American Honda Motor Co., Inc. 100%出資
代表者:取締役社長 山﨑 英人(やまさき ひでと)
所在地:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。