ホンダの英国現地法人のホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、3月3日(現地時間)、自動車メーカー初(※1)となる、EV向けエネルギーマネジメントサービス「e:PROGRESS(イー・プログレス)」を欧州で年内に開始すると発表した。
e:PROGRESSは、電力需要が少なく、最も電力コストの安い時間帯にEVを充電するEV向けエネルギーマネジメントサービスで、スマート充電、リソースアグリゲーションを専門とするモイクサ(Moixa)社、電力会社のバッテンフォール(Vattenfall)社と共同で提供。
スマートフォンのアプリケーションに必要な充電量を入力し、EVを「ホンダ・パワーチャージャー(Honda Power Charger/※2)」など、自宅充電器につなぐことで、モイクサ社の「グリッドシェア(GridShare)」システムを通じ、バッテンフォール社が提供する変動型電気料金を活用して、最も電力コストの安い時間帯に自動充電することができると云う。
なお、自動車メーカーによるエネルギーマネジメントサービスは、欧州初。e:PROGRESSは英国で年内開始、順次ドイツや欧州各国へと展開される予定だ。
ホンダは現在、カーボンフリー社会の実現に向け、エネルギーマネジメントソリューションに取り組んでおり、今年1月から英国ロンドンでV2G(Vehicle to Grid)の実証実験を実施。
電力系統と双方向で充・給電可能な充電器「ソスペソ・アンド・チャージ(sospeso & charge/※3)」を、ロンドン・イズリントン特別区のタウンホールに複数台設置して、公用車(EV)への充電やEVから建物への給電、さらには電力系統への調整力提供まで含めたエネルギーマネジメントの技術実証を行っている。
ホンダは、最も電力需要が少ない時間帯にEVを充電し、電力需要が高まる時間帯にEVに充電した電力を建物や電力系統へ供給することで、電力需要の平準化と、再生可能エネルギー由来の電力使用拡大を目指すとしている。
※1:2020年2月時点。ホンダ調べ。
※2:ホンダ・パワーチャージャーは、ホンダが開発したEV用充電器で、e:PROGRESSサービス開始に先立ち、ホンダe(Honda e)のデリバリー開始と同時に、2020年初夏に欧州で発売される。
※3:HondaとEVTEC(イーブイテック)社の共同開発品。