本田技研工業(以下「ホンダ」)とコマツは、ホンダの交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を活用したコマツのマイクロショベルの電動化、およびモバイルパワーパックを活用しさまざまな建設機械・機材に相互使用を可能にする土木・建設業界向けバッテリー共用システムの体制構築を目指す共同開発に関する基本合意契約を締結したと、6月10日発表した。
これまで、ホンダはモバイルパワーパックを活用した製品の拡大、コマツは2020年4月にバッテリー駆動式ミニショベルを国内市場に導入するなど、両社とも業界に先駆けて環境負荷の低い製品の実現に取り組んできた。今回の共同開発では、コマツの建設機械の中でも管工事や造園、農畜産など、人や樹木・花卉と密接した作業現場で利用されることの多いマイクロショベル「PC01」に、モバイルパワーパックと電動パワーユニット(eGX)を搭載することで電動化し、2021年度中の市場導入を目指す。
マイクロショベルの電動化により、騒音・排熱を大幅に低減できるほか、“排出ガスゼロ” を実現することで環境への影響を抑え、かつ、屋内外問わずさまざまな作業環境で快適に作業することを可能にする。また交換式モバイルパワーパックの特長を活かし、充電を待たずに電動機器を使い続けることができる。モバイルパワーパック搭載により、エネルギー供給の容易化、お客さまの利便性向上の実現を図るとしている。
電動マイクロショベルの市場導入後、ホンダとコマツは、土木・建設現場へモバイルパワーパックを供給し、バッテリー交換をはじめとするアフターサービスも含めた電動建機の利便性向上に向けて実証実験を進める。
将来的には、他のマイクロショベルや1トンクラスまでのミニショベルの電動化も共同開発するほか、土木・建設現場で使われるさまざまな機材に対するモバイルパワーパックを活用した電動化や、海外市場への展開等を共同で検討していく。
ホンダは、電動モビリティやパワープロダクツと連携したスマートな電力オペレーションに、電動ショベルをはじめとする土木・建設現場のさまざまな電動機材を加えることにより、モバイルパワーパックを活用した幅広いバッテリー共用システムネットワークの構築を目指している。現場のゼロエミッション化や再生可能エネルギーの活用をさらに進めることで、「環境負荷ゼロ」の循環型社会、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。