本田技研工業(ホンダ)は7月26日、小型船舶用の4kW電動推進機プロトタイプを用いた実証実験を、8月から島根県松江市で開始すると発表した。実験では、松江市観光振興公社が運営する堀川遊覧船(※)に電動推進機プロトタイプを搭載し、実際の運行で使用することで、遊覧船に於ける商品性を検証する。
ホンダは、2050年に同社が関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指す、という目標の実現に向けて取り組んでおり、その領域は二輪や四輪といった陸上のモビリティに留まらず、水上でのカーボンニュートラルに向けても積極的にチャレンジ。
一方、松江市は、脱炭素先行地域として「カーボンニュートラル観光」を掲げ、持続可能なまちづくり、および地方創生に寄与することを目的として様々な環境活動に取り組んでいる。
今回の実証実験に堀川遊覧船を活用することになった背景には、そうした松江市の環境への思いとホンダの思いの合致があったと云う。
なお、使用される電動推進機プロトタイプは、ホンダとトーハツが共同開発したもので、ホンダが出力4kWの電動パワーユニット、トーハツはギアケースやロアーユニットなどのフレーム領域をそれぞれ担当。バッテリーにはホンダの二輪車で使用している交換可能な着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック・イー)」を採用している。
※ 国宝松江城の堀を巡る遊覧船事業。