本田技研工業(ホンダ)は9月29日、無人ライドシェアサービスに供される自動運転モビリティサービス専用車両「クルーズ・オリジン」の日本仕様・量産モデルの試作車のテスト走行、開発に携わる自社エンジニアのインタビューを纏めた動画映像等を公開した。( 坂上 賢治 )
クルーズ・オリジンは、Honda・GMクルーズホールディングス・GM(ゼネラルモーターズ)の3社で共同開発している自動運転モビリティサービス専用車両。
最大6名乗車出来る車両で、自動運転レベル4相当の自動運転技術を搭載しているため、運転席は設けられていない。運転席分のスペースを客室として使用する事で、広い室内空間を実現している。
また、クルーズ・オリジンは多様な乗員が乗り降りし易いよう、低床プラットフォームを採用すると共に、量産車として世界初( 2022年9月時点)となる左右両側の両開きスライドドアを実現した。
ホンダが自動運転モビリティサービスの取り組みで大きな一歩を踏み出したのは2018年10月。米国に本拠地を置くGMと、自動運転システムの開発を担うクルーズ( GMクルーズホールディングスLLC )の3社での協業を発表。
以降カーボンニュートラルや安心・安全な移動という共通のビジョンを持つ3社で、クルーズ・オリジンの共同開発をスタートさせた。
3社は共に、自動運転車を実際の走行環境で実証する事で、起こり得る様々な交通課題の解決や、利用者・社会環境に対して新たな利便性や新しい新価値を提供するべく、クルーズ・オリジンを活用した自動運転モビリティサービスを2020年代半ばから東京都心部で開始する事を目指している。
これらを踏まえ、ホンダは自動運転モビリティサービスの実現に向け、3社と共同体制を取り、栃木県宇都宮市・芳賀町で2021年9月からGMの小型電気自動車「Bolt( ボルト )EV」をベースとした試験車両を使ってまずは高精度地図の作成を含む技術実証を開始。
今後は東京での実証実験や、事業開始に向けたクルーズ・オリジンを使った実証実験も検討していく構え。
今回、ホンダから公開された映像では、クルーズ・オリジンの日本仕様量産モデルの試作車が米国のテストコースで走行する様子を公開した。
クルーズ・オリジン 日本仕様量産モデルの試作車
日本仕様の試作車は複数台作られ、テストコースでの走行機能や基本的なシステムの確認、衝突試験による安全性の確認などを行って行くという。
クルーズ・オリジンのホンダ側の車体設計開発責任者 大野 貴弘氏
クルーズ・オリジンのホンダ側の開発責任者クリストス・アグリディズ氏
また映像では共同開発に取り組む本田技研工業の日米のエンジニアが、クルーズ・オリジンの試作車を紹介しつつ、開発のこだわりや、日本導入に向けた意気込みを語っている。