本田技研工業(ホンダ)は、2024年度のモータースポーツ活動計画を発表した。二輪モータースポーツに於けるMotoGP活動については、RC213Vを配したワークス体制を含む3チーム体制で挑み、四輪モータースポーツに係るF1参戦活動については前年と同じく2チームへの技術支援とマーティング協力体制となる。なお、その他の国際レースへの参戦体制、国内レースの体制も含め、詳細は後述していく。
二輪モータースポーツ活動
まず2023年のFIMロードレース世界選手権 MotoGPクラスに関して、2024年はルカ・マリーニ選手がRepsol Honda Team(レプソル・ホンダ・チーム)に、ヨハン・ザルコ選手がCASTROL Honda LCR(カストロール・ホンダ・エルシーアール)に加入する。ホンダとしては、マシンの戦闘力向上と合わせて、MotoGPのタイトル奪還を目指すとしている。
FIMトライアル世界選手権シリーズのTrialGPクラスでは、昨年トニー・ボウ選手がチャンピオンを獲得し、Xトライアル世界選手権の両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成したことを踏まえ2024年も同様の体制で記録更新に挑む。
また二輪のモータースポーツでも、四輪と同じくカーボンニュートラル燃料の導入に合わせて、MotoGPやFIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)、MFJ全日本ロードレース選手権(JRR)JSB1000クラスに対応していく。加えて全日本モトクロス選手権(JMX)への電動車投入に続いて、新たな電動二輪車カテゴリーへの参戦も検討していく。
四輪モータースポーツ活動
FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)では、Oracle Red Bull Racing(オラクル・レッドブル・レーシング)およびScuderia AlphaTauri(スクーデリア・アルファタウリ)に対し、チームパートナーとして技術支援やマーケティング協力を実施していく。
国内レースでは、SUPER GTシリーズGT500クラスで、CIVIC TYPE Rをベースとした「CIVIC TYPE R-GT(シビック タイプアール ジーティー)」を新投入。昨年、FIAフォーミュラ・ツー選手権(F2)で活躍した育成ドライバーの岩佐歩夢(いわさあゆむ)選手は今季、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)へ参戦する。
また北米ではHonda Performance Development(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)が、2024年1月からHonda Racing Corporation USA(HRC-US/ホンダ・レーシング・コーポレーション・ユーエスエー)に社名を変更。
2024年は、インディカー・シリーズに参戦する5チームに、HRC-USを通じてエンジンを供給する。またIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にはHRC-USが供給するAcura(アキュラ)ブランドのマシン「ARX-06」2台がHRCロゴで参戦する。
参戦体制概要(2024年1月19日発表時点)
《二輪参戦体制概要》
《世界選手権》
FIMロードレース世界選手権(MotoGP)
FIMスーパーバイク世界選手権(WSBK)
FIM世界耐久選手権(EWC)
FIMモトクロス世界選手権(MXGP)
FIMトライアル世界選手権シリーズ(TrialGP)
FIM世界ラリーレイド選手権(ダカールラリー2024)
《日本》
MFJ全日本ロードレース選手権(JRR)
MFJ全日本モトクロス選手権(JMX)
MFJ全日本トライアル選手権(JTR)
《アジア》
FIMアジアロードレース選手権(ARRC)
《北米》
AMAスーパークロス選手権
AMAプロモトクロス選手権
《四輪参戦体制概要》
《日本》
全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)
SUPER GT<GT500クラス>
SUPER GT<GT300クラス>
スーパー耐久シリーズ<ST-Qクラス>
《北米》
インディカー・シリーズ
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権
《二輪ライダー・四輪ドライバー育成》
トップカテゴリーを目指した選手育成システムとして二輪は、2024年も引き続きMotoGPのMoto2・Moto3クラスに参戦するHonda Team Asia(ホンダ・チーム・アジア)の活動を継続すると共に、若手育成のプログラムとしてIDEMITSU Asia Talent Cup(イデミツ・アジア・タレント・カップ)を活用し、世界で活躍できるライダーのさらなる発掘・育成に取り組む。
四輪は、ドライバー育成プログラム「ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)」を展開し、欧州のジュニアフォーミュラカテゴリーや日本のFIA-F4、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権などへの挑戦の場を提供し、選手の成長とステップアップのための環境を整えていく。
FIMロードレース世界選手権(MotoGP)
フランス F4選手権
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)
FIA-F4選手権(日本)
モータースポーツ普及活動
モータースポーツの普及を前提に初心者でも気軽に楽しめるイベントも開催。幅広い層にモータースポーツの魅力を伝えることを目的とした活動を行っている。
<株式会社ホンダ・レーシング(HRC)ワンメイクレースシリーズ>
なかでもHRCによるワンメイクレースは、モータースポーツを楽しむカテゴリーと将来のMotoGPライダー育成を目的としたカテゴリーに分かれ、日本全国約30か所のサーキットで開催している。
市販車両を使用した「HRC GROM Cup」、「CBR250R Dream Cup」、「CBR250RR Dream Cup」に加え、HRCの市販レーサーを使用したミニバイククラスの「NSF100 HRCトロフィー」や、将来のMotoGPライダーを育成するための「HRC NSF250R Challenge」も開催している。
これらのHRCワンメイクレースシリーズは、全国各地のサーキットで開催され、一定の条件を満たした参加者を対象に全国大会の実施や、育成クラスへのステップアップ支援制度など、参加者がレースを楽しんだり、夢を実現したりするプログラムとなっている。
<Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024>
創造力と自由な発想、技術を結集した手作りのマシンを使い1Lのガソリンで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を1981年から開催。初回大会以来のべ約1万5千チーム以上が参加している。2024年も国内3か所での地区大会と、全国大会を予定している。
Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2024 国内開催スケジュール