本田技研工業と三菱商事は10月12日、電気自動車(EV)の普及拡大を見据え、両社の強みを活かしたサステナブルなビジネスモデルの構築に向けて、日本での事業化検討の覚書を締結したことを発表した。今後、EVとその車載バッテリーを通じたユーザーの利用価値向上を目指し、以下の事業化について協議していくと云う。
[協議する事業]
1.バッテリーのライフタイムマネジメント事業
2024年よりホンダから発売される予定の軽EVに搭載されるバッテリーを対象に、バッテリーモニタリング機能を高度化し、車載用から定置用への転用を通じてライフタイムマネジメントを行うバッテリー価値最大化への取り組み。
2.スマート充電(※1)・V2G(※2)を通じたエネルギーマネジメント事業
先進の制御技術によりEVユーザーの電力コストを最適化するスマート充電・V2Gサービス・グリーン電力の提供。
※1)スマート充電:電力の需給に合わせてEVの充電タイミングを自動制御する仕組み。
※2)V2G(Vehicle to Grid):電力網からEVへの充電のみならず、EVに蓄えられた電力を電力網に供給する技術。
覚書の締結に際して、両社の代表者は以下のようにコメントしている。
・ホンダ 取締役代表執行役社長 三部敏宏氏
「ホンダは今後、本格的なEVの普及拡大期に向け、車両の販売だけでなく、バッテリーをエネルギー源として活用するエネルギーマネジメント、希少資源を多く含む車載用バッテリーのリユース・リパーパスを含むリソースサーキュレーションの実現に積極的に取り組んでいきます。今回の日本の軽EVにおける三菱商事との取り組みを皮切りに、各地域のマーケット特性に合わせ、様々なパートナーと共に長期視点でのカスタマーバリューの最大化とサステナブルな事業基盤の構築を目指していきます」。
・三菱商事 代表取締役社長 中西勝也氏
「三菱商事はCASE/MaaS/カーボンニュートラルといった世界的な潮流に伴い、モビリティとエネルギー/サービス・データといった異なる産業セクターの融合が不可逆的に進展する中で、電動化と脱炭素化の両立に向けた新たなビジネスモデル構築を目指し、産業横断的な新たなサービスの創出等に取り組んで参ります」。
[会社概要]
<ホンダ>
– 会社名:本田技研工業株式会社
– 設立:1948年9月24日
– 本社所在地:東京都港区南青山2-1-1
– 代表者:取締役 代表執行役社長 三部 敏宏
– 事業内容:輸送用機器(二輪車、四輪車、汎用製品など)の製造、販売。
<三菱商事>
– 会社名:三菱商事株式会社
– 設立:1950年4月1日
– 本社所在地:東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
– 代表者:代表取締役 社長 中西勝也
– 事業内容:
天然ガス、総合素材、化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループに産業DX部門、次世代エネルギー部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域として多角的なビジネスを展開。