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2024年8月1日【MaaS】

日立、EV充電の制御で電力料金を下げる施設向けアプリ

坂上 賢治

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日立情報通信エンジニアリングは8月1日、多数のEV充放電器を一括で制御する法人施設向け「EV充放電の群管理アプリケーション」の販売を開始した。

 

昨今、環境負荷の軽減に向けた法規制への対応や企業価値の向上を視野に、多くの法人が保有車をEVに切り替える動きが広がっている。しかしEVへの切り替えでは、充電インフラの導入コスト、運用に必要な電力コストが大きな懸念として浮上。これらのコストは、EV化を検討する企業や事業者にとって大きな課題となっている。

 

そうしたなかで当該アプリケーションは、多数のEV充放電器の消費電力を目標とするデマンド値(例えば30分毎の平均使用電力量)以下となるよう、個々に制御最適化を図るプラットフォームだ。繫がるデバイスをまとめて「群」とみなすことで1つの大きな電力リソース、1つのバッテリーとして最適に制御し、電気料金の低減に寄与する。

 

EV充放電の群管理アプリケーションの特長は以下の通り

 

(1)デマンド制御
デマンド値を超えない範囲で充電タイミングを制御する。また電力需要のパターンからデマンド値を超過する可能性がある場合、EVからの放電により電力のピークシフトを行いEV充電に使用する電力量を最適化、電気料金を低減させる。

 

【効果試算例】
6kWのEV充電器を10台増設し、同時に充電したケースでは、使用電力量が60kW増加するが、使用電力量を平準化しピークシフトすることで42kWの低減となり、本来増加分の約7割のデマンド値を減らすことが可能となる。

 

例:6kWのEV充電器10台(計60kW)を42kW低減となるように平準化した場合

 

・毎月の電気基本料金は過去一年間の最大デマンド値で決まるため、電力料金低減には、最大デマンド値を下げることが必要不可欠だ。
・各電力会社の料金体系や契約により、電気料金の算出方法が異なるため、実際の効果とは異なる。

 

(2)予約・優先充電
・予約充電:車両ごとの予約時間(充電完了リクエスト時間)と充電残量を考慮し、どの車両から充電すると効率的かを計算し、電力の割り付けを行う。
・優先充電:EVの充電残量に関わらず、利用を優先したいEVを先に充電する。

 

(3)複数メーカーのEV充放電器を一括管理・制御
複数メーカーが混在していても利用可能。更に異なる定格出力や、普通・急速タイプのEV充放電器の混在もサポートしているため、充電インフラ設備の拡張性にも柔軟に対応する。※対応機種については問い合わせが必要。

 

(4)今後の展開
エネルギーマネジメントに於いて独自かつ重要な電力変換技術(パワーエレクロトニクス技術)、バッテリー制御技術に加え、OT技術(ハードウェア制御技術)など複数分野に跨がる技術連携を可能とする多くのノウハウと長年の実績がある。

 

このノウハウを活用し、今後もエネルギーマネジメント分野における課題解決に貢献するため、パートナー各社と広くオープンな連携を行い、エンドユーザーのメリットを最大化するソリューションの展開によりプラットフォームビジネス拡大を目指す。

 

 

(5)EV充放電の群管理アプリケーションのサービス
ライセンス販売によるサービス提供になる。加えてアプリケーションの導入、EV充放電器との接続に際しては、条件が生じる場合があるため、詳細はお問い合わせされたい。

 

EV充放電の群管理アプリケーションについてのURL詳細リンク
https://www.hitachi-ite.co.jp/products/energymanagement/evcharge/index.html

 

 

日立情報通信エンジニアリングは、公共・企業、産業、ヘルスケア、自動車関連の分野に於いて、ネットワーク機器や関連するソフトウェア・サービスを駆使したネットワーキングと、カスタマイズやローカライズへ最適化するエンジニアリングと要素技術を提供する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。