日立情報通信エンジニアリングは8月1日、多数のEV充放電器を一括で制御する法人施設向け「EV充放電の群管理アプリケーション」の販売を開始した。
昨今、環境負荷の軽減に向けた法規制への対応や企業価値の向上を視野に、多くの法人が保有車をEVに切り替える動きが広がっている。しかしEVへの切り替えでは、充電インフラの導入コスト、運用に必要な電力コストが大きな懸念として浮上。これらのコストは、EV化を検討する企業や事業者にとって大きな課題となっている。
そうしたなかで当該アプリケーションは、多数のEV充放電器の消費電力を目標とするデマンド値(例えば30分毎の平均使用電力量)以下となるよう、個々に制御最適化を図るプラットフォームだ。繫がるデバイスをまとめて「群」とみなすことで1つの大きな電力リソース、1つのバッテリーとして最適に制御し、電気料金の低減に寄与する。
EV充放電の群管理アプリケーションの特長は以下の通り
(1)デマンド制御
デマンド値を超えない範囲で充電タイミングを制御する。また電力需要のパターンからデマンド値を超過する可能性がある場合、EVからの放電により電力のピークシフトを行いEV充電に使用する電力量を最適化、電気料金を低減させる。
【効果試算例】
6kWのEV充電器を10台増設し、同時に充電したケースでは、使用電力量が60kW増加するが、使用電力量を平準化しピークシフトすることで42kWの低減となり、本来増加分の約7割のデマンド値を減らすことが可能となる。
例:6kWのEV充電器10台(計60kW)を42kW低減となるように平準化した場合
・毎月の電気基本料金は過去一年間の最大デマンド値で決まるため、電力料金低減には、最大デマンド値を下げることが必要不可欠だ。
・各電力会社の料金体系や契約により、電気料金の算出方法が異なるため、実際の効果とは異なる。
(2)予約・優先充電
・予約充電:車両ごとの予約時間(充電完了リクエスト時間)と充電残量を考慮し、どの車両から充電すると効率的かを計算し、電力の割り付けを行う。
・優先充電:EVの充電残量に関わらず、利用を優先したいEVを先に充電する。
(3)複数メーカーのEV充放電器を一括管理・制御
複数メーカーが混在していても利用可能。更に異なる定格出力や、普通・急速タイプのEV充放電器の混在もサポートしているため、充電インフラ設備の拡張性にも柔軟に対応する。※対応機種については問い合わせが必要。
(4)今後の展開
エネルギーマネジメントに於いて独自かつ重要な電力変換技術(パワーエレクロトニクス技術)、バッテリー制御技術に加え、OT技術(ハードウェア制御技術)など複数分野に跨がる技術連携を可能とする多くのノウハウと長年の実績がある。
このノウハウを活用し、今後もエネルギーマネジメント分野における課題解決に貢献するため、パートナー各社と広くオープンな連携を行い、エンドユーザーのメリットを最大化するソリューションの展開によりプラットフォームビジネス拡大を目指す。
(5)EV充放電の群管理アプリケーションのサービス
ライセンス販売によるサービス提供になる。加えてアプリケーションの導入、EV充放電器との接続に際しては、条件が生じる場合があるため、詳細はお問い合わせされたい。
EV充放電の群管理アプリケーションについてのURL詳細リンク
https://www.hitachi-ite.co.jp/products/energymanagement/evcharge/index.html
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