みちのりホールディングスは6月10日、「ひたち圏域MaaSプロジェクト」でAIデマンドサービスの運行を6月11日から開始すると発表した。
ひたち圏域新モビリティー協議会は、国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課が実施する令和2年度日本版MaaS推進・支援事業の支援を受け(新型コロナウイルス感染拡大の影響により令和3年度に実施)、6月11日から、茨城県日立市大沼エリア/宮田・助川・成沢エリアでAIデマンドサービスの運行を開始する。
なお、この取組は、日立市および茨城交通株式会社、電鉄タクシー株式会社、株式会社ナビタイムジャパン、Via Mobility Japan 株式会社、株式会社みちのりホールディングスが実施する。
AIデマンドサービスは、利用者(複数)のリクエスト(乗車地点・目的地・乗車時刻)を受け取り、希望地点近傍の乗降場所を通るように経路を変更し、運行するため、従来の固定ダイヤ・固定ルートに比べて、大幅に利便性が向上する。
このサービスではViaのAIプラットフォームを活用したオンデマンドタクシーを、ナビタイムが開発した「Hitachi MaaS」アプリから検索・予約・発券する。また、乗換検索にAIデマンドサービスを融合させることで、AIデマンドサービスが地域交通の一つとして利用者に認知され、シームレスに利用できる環境を提供する。
この取組では地域の移動の基幹となるバスなどの公共交通サービスを補完する末端交通として、AIデマンドサービスの持続的な可能性を検討し、地方における交通モデルを検討する。特に公共交通の分担率が低い地方部において、日頃、公共交通を利用しない地域住民や域外からの来訪者などをターゲットに、「Hitachi MaaS」アプリを通じてシームレスな利用環境を提供することで、新たな利用者層の発掘を目指す。
また、モデル地域として取組を進めるひたち圏域MaaSプロジェクトにて検証された技術を同じような交通課題を抱える地方部への提供を模索。この事業を支援している国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課と連携することで、日本の公共交通の改革を、茨城県日立市から発信していく。
【AIデマンドサービスの概要】
運行エリア:日立市大沼エリア/宮田・助川・成沢エリア (下図参照)
運行期間:令和3年6月11日(金)~7月22日(木)
運賃:2km以内400円/2km超600円
乗降場所:大沼エリア 約230箇所 / 宮田・助川・成沢エリア 約350箇所
運行時間:大沼エリア 午前9時~17時 / 宮田・助川・成沢エリア 午前9時~12時、14時~17時
車両:大沼エリア セダン型タクシー(定員2名) / 宮田・助川・成沢エリア ジャンボタクシー(定員3名)
利用方法:「Hitachi MaaS」アプリから検索・予約・発券する
【各法人の役割】
日立市:実証に係る各種調整/市政策への反映 等
茨城交通:協議会の組成、開催、運営・バス利用者への告知 等
電鉄タクシー:車両運行にかかわる業務
ナビタイム:「Hitachi MaaS」アプリの開発・提供/マルチモーダル経路探索技術の提供/AIデマンドサービスの予約/決済・チケット発券
Via Japan:AIデマンドの配車アルゴリズムの提供
みちのりHD:実証計画の策定/サービス・アプリの仕様設計/新モビリティサービスの採算性分析 等