日立製作所および日立(中国)は、中国の大手IT企業のテンセント社(Tencent Holdings)と、IoT分野における戦略的提携に合意した。
今回の合意に基づき、日立グループとテンセントは、長期的な提携関係のもと、スマートシティの構築や製造・物流分野のスマート化など、さまざまな事業分野でのIoT化に向けて、両者が有する技術・資源を活用した、新たな市場開拓で協力していく。
また、低コスト、高効率、かつ安全性が高いIoT環境の構築を推進。
中国政府の一帯一路構想を背景に、両者は、「健康中国」、「美麗中国」および「ネットワーク強国」等の活動に積極的に参加し、社会イノベーション事業を通じて、中国社会の持続可能な発展および人々のQoL(Quality of Life)向上に貢献していくとしている。
テンセントは、テンセントクラウドなど、IoTに関する先進技術を開発した実績を有している。
一方の日立は、長年培ってきたITとOTの経験・ノウハウを有し、スマートシティやスマートビルディングなどの分野におけるトータルソリューションの提供が可能。
日立とテンセントは現在、昇降機や空調設備などの製品や、生体認証技術などに、テンセントのIoTシステムを導入する検討を進めており、さらに今後、健康養老やスマート製造、スマート物流、法人向けアプリケーション「WeChat(企業微信/※1)」の展開に向けた技術交流・協力を実施していく計画だ。
日立グループは、社会イノベーション事業のグローバル展開を加速しており、中国は、日立グループにおけるもっとも重要な市場の一つ(※2)。
現在進めている「2018中国事業戦略」では、プロダクト事業のさらなる強化と、中国発展の方向性に合った社会イノベーション事業の拡大を柱に、日立のIoTプラットフォーム「Lumada」を活用した新たなソリューション・価値を創出、中国での売上を2018年度に1.1兆円に拡大するとしている。
※1:WeChat(企業微信):2012年テンセントが企業向けにリリースしたSNSアプリケーション。
※2:日立グループは、中国で143のグループ企業と約44,080人の従業員を擁し(2018年3月末現在)、同国における2017年度の売上収益は、10,410億円。日立グループの売上収益の約11%を占めている。