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2020年1月18日【経済・社会】

日野、ダカール・ラリー2020でクラス11連覇

NEXT MOBILITY編集部

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日野自動車は、2020年1月5日~17日に、サウジアラビアに舞台を移して初開催されたダカール・ラリー2020のトラック部門に、「日野チームスガワラ(代表:菅原照仁氏)」として競技車両2台で参戦。

 

1号車の菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(日野レンジャー/HINO500シリーズ)が、同部門の排気量10リットル未満クラスで優勝し、チーム史上最多となるクラス11連覇を達成した。

 

 

日野自動車・ロゴ

また日野チームスガワラは、排気量10リットル超の大型トラックが上位を占めるトラック部門総合で10位入賞して4年連続のトップ10入りを果たし、さらに1991年の同ラリーへの初参戦以来、連続29回の完走を達成した。

 

 

記録更新を達成した1号車と選手たち(左から染宮ナビゲーター、菅原ドライバー、望月ナビゲーター)

記録更新を達成した1号車と選手たち(左から染宮ナビゲーター、菅原ドライバー、望月ナビゲーター)

 

 

一方、2号車の塙郁夫/塙雄大/毛塚麻由美組(北米専用車/HINO600シリーズ)は、序盤のステージ2(1/6)において、走行中に車両のリアボディが破損するトラブルに見舞われ、ステージ3(1/7)には参加せず車両の修復に専念。

 

ステージ4(1/8)以降、競技の順位はつかない賞典外としてコースに復帰したが、ステージ9(1/14)に再びトラブル。キャブ内のロールバーに亀裂が発生し、乗員の安全が確保できないと判断し競技続行を断念した。

 

 

チームに寄せられたたくさんの応援メッセージを掲げて喜びあう日野チームスガワラ

チームに寄せられたたくさんの応援メッセージを掲げて喜びあう日野チームスガワラ

 

 

日野は、今回の記録更新について、技術陣が製作・改良を加えてきたレーシングトラックや、菅原照仁氏のドライビングテクニック・豊富なラリー経験など、ナビゲーター・メカニック・サポートメンバーを含めた「日野チームスガワラ」の鉄壁のチームワーク、そして現地日野車販売代理店のTsusho Jamjoom Trading(本社:サウジアラビア ジッダ市)をはじめとする関係者の全面的なバックアップなど、総力を結集した成果だとしている。

 

 

[参加選手たちのコメント]

 

<1号車>

 

■ドライバー:菅原照仁 氏

 

サウジアラビアで初開催だったが、予想していたよりもコース難易度が低く、中型車で大型車に挑んでいる我々にとってはチャンスが少なかったと感じています。その中でもしっかり走り切り、総合トップ10入り、クラス連覇も果たせたのでまずは良かった。

 

総合トップ5を目標にしているが、1号車は改良を重ねてきて車両の性能も引き出せているし、トップとのタイム差は去年に比べて約半分に縮まったということで狙い通りのところには来られていると思います。

 

今回から乗員を1人増やし3人乗車体制にしたが、ナビゲーションの目が増えたことで、ドライバーとしては助かったし、今回タイヤのパンクが3回あったが従来は20分程かかったが、今回は半分ほどで対応できたので、大きなプラス要素になりました。

 

新開発した2号車は早い段階でトラブルに見舞われてしまったが、その後メカニックたちの頑張りによって、幸いにもステージ9までエクスペリエンス(賞典外)で車を走らせること出来た。

車両のデータ収集としても、選手たちの経験値もかなり積むことができたので、今後につなげられることが出来たと思います。

 

■1号車ナビゲーター:染宮弘和 氏

 

チームの勝利に貢献出来たことが本当に嬉しい。サウジアラビア開催ということで、砂丘だけかと思っていたら岩場・山・荒地など様々なバリエーションがあり、本当にタフなレースでした。チーム内だけでなく、現地関係者の方々のサポートがしっかりしていたお陰で何とか走り切ることができました。皆さんに感謝しています。

 

■1号車ナビゲーター:望月裕司 氏

 

チーム一丸となって得られた結果です。とても満足しています。前回はメカニックとして参戦し、今回はナビゲーターとして参戦しました。また別の過酷さがありましたが、終わってみれば寂しさも感じます。私は、実は23年ぶりの日野社員ナビでして、このようなチャレンジできる場を与えていただき、感謝しています。

 

 

喜びを分かち合う日野チームスガワラと、チームを支えた現地関係者

喜びを分かち合う日野チームスガワラと、チームを支えた現地関係者

 

 

<2号車>

 

■2号車ドライバー:塙郁夫 氏

 

2号車は今回新たに開発した車両。試行錯誤やトラブルはつきもので、走ってみないとわからないことも多いです。初めてのトラックでのラリー参戦で、走るのがだんだんと面白くなってきたところでリタイア。とても残念でしたが、本当に良い経験をさせてもらいました。

 

■2号車ナビゲーター:塙雄大 氏

 

初めての車で初めてのダカール・ラリー。リタイアは残念でしたが、いろいろな道を楽しみながら走ることができたので良かったです。

 

■2号車ナビゲーター:毛塚麻由美 氏

 

これまでサポートメンバーとして、今回はナビゲーターとしてダカール・ラリーに初挑戦しました。リタイアはとても悔しかったですが、車両の課題もつかめましたし、良い経験をすることができました。

 

 

■(日野)ダカール・ラリー:http://www.hino.co.jp/dakar/index.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。