日野自動車は、2019年1月6日から17日にペルーで開催される、ダカールラリー2019のトラック部門に、菅原義正氏が率いるチームスガワラと共に、 「日野チームスガワラ」として日野レンジャー2台で参戦する。
そのうちの1台、菅原照仁氏が駆る日野レンジャー2号車には新型車を投入。さらに、チーム全体としてのサポート体制を強化するため、メカニックを増員し、クラス10連覇だけでなく、総合順位5位以内に挑む。
去る10月19日金曜日の午後、日野自動車本社で開催された発表会では下義生社長が登壇し、チームを激励すると共に「現地に行き応援したい」と参戦への期待を滲ませた。ちなみに今年のダカールラリーは、ペールのみの1国開催となり、これはダカールラリー40年に迫る歴史の中でも初のことである。
また今年の参戦にあたって、連続参戦記録を伸ばし続けている菅原義正氏の意欲は例年に増して強く、同氏は先にバイクレースに出場し転倒して左足を骨折したのだが、今年はその足にボルトを入れたままのダカール参戦になることを披露した。
一方、チームのエースドライバーである菅原照仁氏は、前回の2018年大会でチームの最多記録を更新する排気量10リットル未満クラスで9連覇を達成している。
しかし2009年に開催地が南米へ移って以降、ダカールラリーに参戦するトラック部門のライバイル車両たちは年を追うごとにスプリント化の傾向を強めている。
そこで日野の技術陣は、その対応のため菅原照仁氏の駆る日野レンジャー2号を新たに製作し、徹底的にチューニングを重ね、ハイスピードでの耐久性を向上させている。
これにより日野レンジャーは、制動能力を大幅に向上させた他、連続した高速走行に耐えるべくフレームのねじれ剛性を約2倍にアップさせている。またパワーユニットではエンジン出力を、今年7月にロシアで行われたシルクウェイラリー2018出場車からさらに50ps高めて750psとした。
この先のシルクウェイラリー2018では、開発途中の新型車両での参戦を果たし、ダカールラリーを踏まえての実戦参加を経て充分な手応えを得ていると語り、また今大会ではクラス10連覇の達成だけでなく、総合上位入りに挑むと話している。
対してチームの代表を務める77歳の菅原義正氏は、1983年にパリ・ダカールラリー(当時)の二輪部門に初参戦して以来、1992年から日野のチームに合流して参戦を続け、前大会では同ラリーの史上最多となる連続35回出場の世界記録を果たし、ギネスブックに認定された。
ダカールラリーのトラック部門は、排気量が10リットルを超えるモンスタートラックが上位を占めているが、日野のチームは「小よく大を制す」をモットーに知恵と技術を駆使し、ライバル勢に挑戦し、自らの記録を更新。
今大会でも、日野のクルマづくりの技術力、販売会社と日野社員から選び抜かれたメカニックによる整備力、チームスガワラの長年にわたって蓄積されたノウハウを結集し、「日野チームスガワラ」として鉄壁のチームワークで世界一過酷と言われるラリーに挑戦するとしている。
[日野レンジャー ダカールラリー2019 参戦車スペック]
[日野チームスガワラ・ダカールラリー2019 参戦メンバー]
■(日野自動車)ダカールラリー:http://www.hino.co.jp/dakar/index.html