日野自動車(以下、日野)は、2019年1月6日~17日にペルーで開催されたダカールラリー2019のトラック部門に、菅原義正氏が率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として日野レンジャー2台で参戦。
菅原照仁ドライバー(46歳)がトラック部門の排気量10リットル未満クラスで優勝し、チーム史上最多となるクラス10連覇を達成した(1月19日に公式発表)。
40年に迫る歴史上初めて、ペルーのみの1国開催となった今回のダカールラリー。ステージ数も10か所とダカールラリーとしてはコンパクトな構成だが、全行程5601㎞に対し競技区間は2959㎞(トラック部門)とその過酷さは過去の大会と大きく変わらないものとなった。
日野は、そんな今回のレースに、「ダカールの鉄人」こと菅原義正氏(77歳)がドライバーを務める1号車と、
息子であり、自らも経験抱負なドライバーである菅原照仁氏が駆る2号車を投入。
1号車は、序盤のステージ2において、ステアリングの車両トラブルで無念のリタイアとなったものの、2号車が全10ステージを見事に走り切り、前述の通り、トラック部門の排気量10リットル未満クラスで優勝。
また、2号車は、トラック部門全体でも総合9位を獲得。排気量が10リットルを超えるエンジンを搭載した大型トラックが上位を占める中、日野レンジャーは中型トラックながら見事な健闘を見せた。
今回のダカールラリーで日野は、1991年に日本の商用車メーカーとして初めて同ラリーに参戦して以来、連続28回目の完走も達成した。
ちなみに、77歳の菅原義正氏は、1983年にパリ・ダカールラリー(当時)の二輪部門に初参戦して以来、1992年から日野のチームに合流して参戦を続けており、今回、同ラリー史上最多となる連続36回出場の世界記録を更新している。
なお、最終日17日に行われたゴールセレモニーには、同社の下義生 代表取締役社長(写真中央)も日本からかけつけ、チームと共に喜びを分かち合った。
下社長(中央)と菅原照仁ドライバー(右)、羽村ナビゲーター(左)
【下義生氏(日野自動車 代表取締役社長)のコメント】
タフなコースをしっかり走り切り、クラス10連覇を達成。今回の連覇はチーム全員の勝利でしょう。みなさんにお疲れさまと言いたいです。1号車は残念でしたが菅原義正ドライバーの次回の挑戦に期待しています。2号車も来年に向けて、さらに磨きをかけていきたい。また、こうした経験をより良い商品づくりに活かしていきたいと考えています。
【菅原義正氏(1号車 ドライバー)のコメント】
2年続けてのリタイアは本当に悔しい。応援してくださった皆様には感謝の気持ちと同時に申し訳なく思います。一方で2号車が排気量10リットル未満クラスの10連覇を達成出来て良かった。その点は安堵しています。
【菅原照仁氏(2号車 ドライバー)のコメント】
今回は、新型車両で毎年上位の大型勢と戦いました。新たな課題を感じる一方、この先、どうするべきか、見えたところもあります。コースがハードになったからといって、完走狙いでは勝負にならない。今後も、リスクを冒した走りをしていかないとトップ争いに食い込むことは難しいと思います。