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2024年7月1日【CASE】

日野、自治体ライドシェアの運行管理拡充に向け実証

NEXT MOBILITY編集部

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日野自動車・ロゴ

日野自動車は7月1日、昨年7月に提供を開始した「自家用有償旅客運送の運行管理受託サービス」の拡充に向けて、通信型ドライブレコーダーを用いた運行管理業務の実証実験を、同日より開始すると発表した。

 

実証実験の背景と狙い

少子高齢化や人口減少により、特に地方部においては公共交通の維持が困難になるなど、人の移動を取り巻く環境が厳しいものになっていることから、内閣官房が実施するデジタル行財政改革会議では、従来の自家用有償旅客運送制度(自治体ライドシェア)を利用しやすい制度へ改善することを決定。今年4月までに現行制度の一部改善や改正等が実施されている。

 

これを受けて、日野は、自家用有償旅客運送に於ける働き方の改善や交通空白地の解消を目指した取り組みを推進するため、通信型ドライブレコーダーを用いた運行管理業務の実証実験を実施する。この実証実験では、乗務前後の法定業務だけではなく、運転・運行状況の見える化を実現することで、自家用有償旅客運送に従事するドライバーとの連携強化を図ると共に、蓄積したデータを基にした安心・安全な運行のサポートを目指す。

 

[実証実験の概要]

– 期間:2024年7月1日~2025年1月(約6ヵ月)
– 場所:石川県小松市、鳥取県智頭町、兵庫県朝来市
– 台数:2台(小松市)、3台(智頭町)、2台(朝来市)

 

<内容>

(1)通信型ドライブレコーダーを搭載
プレミア・ブライトコネクト と連携し、同社が提供しているGPSやみちびき、GLONASSといった測位システムに対応する通信型ドライブレコーダーを車両に搭載。精度の高い位置情報の測位および速度を算出することで、ドライバーの走行状況を運行管理者がリアルタイムで把握可能とし、急挙動を検知した場合、音声でドライバーへ注意と警告を促す。

 

 

(2)イベントの記録・日報の作成
・ドライブレコーダーで取得した様々な運行・運転データをクラウドサーバー上に保存し、トラブルや事故、急挙動が発生した位置情報や速度のほか、発生時の静止画やその前後の動画を運行管理者が即座に確認できるように。
・車両やドライバーの情報、運転経路、運転評価、走行履歴などを自動で作成し、運行状況を見える化と業務を効率化。蓄積された運行・運転データは、ドライバー講習や運営主体への助言にも活用する。

 

イベントの記録。 イベントの記録。

日報を自動で作成。 日報を自動で作成。

 

(3)スマホアプリ「Pdrive DRV」、「Pdrive MGR」との連携
・プレミア・ブライトコネクト社が提供するアプリと連携することで、安全運転診断ほか、クラウドにアップロードされた映像の確認を可能に。

 

安全運転診断。 安全運転診断。

アップロードされた映像を確認。 アップロードされた映像を確認。

 

[実証自治体から寄せられたコメント]

・石川県小松市 地域振興課 津田課長
「小松市ライドシェア「i-Chan」の運行を2024年2月より開始しました。住民ドライバーと利用者がより安心・安全にお使いいただくためにも日野自動車からの実証提案は興味深い内容と感じ、協力させていただくことにしました。実証期間を通じてドライバーのスキルアップや接遇改善にも繋がる事に期待しています」。

 

・鳥取県智頭町 企画課 迎山課長
「住民共助型AIデマンド交通「のりりん」は運行開始から1年が経過し、地域に順調に定着してきています。日野自動車には点呼を中心とした管理業務に携わっていただいており、今回の実証を通じて地域の運行がより安定的なサービスになるきっかけとなることを期待しています」。

 

・兵庫県朝来市 都市政策課 足立副課長
「デマンド型乗合交通は2024年4月から生野地区で運行が立ち上げとなり、運行委託先を日野自動車に現地サポートしてくれたことが心強かったです。ドライバーには地域住民も参画頂いているため、運行管理上のコミュニケーション強化に繋がることを期待しています」。

 

地域に於ける実証実験等を通じ、地域公共交通を支える持続可能なソリューションの検討を重ねてきた日野は、自家用有償旅客運送に於いて、主体的に提供する運行管理サービスだけでなく、連携パートナーとの協業によるワンストップ提供を目指すとしている。

 

[問い合わせ先]
日野自動車 ソリューション事業部 地域交通担当
電話:03-6911-1682
メール:mobi-support@hino.co.jp

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。