日野自動車は、来たる2024年1月5日~19日にサウジアラビアで開催されるダカール・ラリー2024に「日野チームスガワラ」として参戦することを(12月26日)明らかにした。
日野自動車では、自らが〝目指す姿〟で掲げているQDR(Quality・品質/Durability・耐久性/Reliability・信頼性)に優れた車づくりと、人のさらなる成長・活躍の実現に向けて33回目のダカール・ラリーに挑戦すると述べている。
そんな今回のダカール・ラリー2024では、ボンネット車両(HINO 600Series)をベースに、走り続けるための信頼性をさらに高める改良を施し、極限までロスタイムを減らすことで上位を狙う車両を開発したという。
特にダカール・ラリー2023にて頻発していたエンジンの冷却系不具合については、主因となったエンジンヘッドの冷却効率向上と、想定されるその他不具合の対策を行ったとしている。
開発責任者で技術研究所ダカールチャレンジグループの榎本満(エノモトミツル)氏は、「ダカール・ラリーの現場は、お客様の車の稼働を止めないトータルサポートを体現する究極の場であると考えています。
参戦メンバーがこれまで以上に高いパフォーマンスを発揮できるよう、ダカール・ラリー2024からは、冷暖房完備のトレーラーハウスを導入し、雨風をしのぎしっかりと休養できる環境が整いました。万全の体制で臨むことが良い結果に繋がるということを実感できるはずです」と話している。
なお車両には、社員選手として5回目の参加となる望月裕司(モチヅキユウジ)選手がナビゲーター兼メカニックとして搭乗する。その望月裕司選手は、「過去のダカール・ラリーを共にしているドライバーの菅原とナビゲーターの染宮、そして望月の3名なので、チームワークには問題ありません。
しかし、今回は販売会社メカニックの選抜も再開し初参加となるメンバーが多いので、経験のある私がメンバーをリードすることで、自身の成長にも繋げていきたいです。
また、レース中は何が起きるかわからないので、ナビゲーターだけではなく、乗員メカニックの役割としても、ビバークで待つメカニックになんとしても繋いでいきます」と語った。
なお過去に於いては毎年行ってきた全国販売会社メカニックの選考会を今年から再開。公募から選抜された栃木日野自動車の斎藤明延(サイトウアキノブ)氏と愛知日野自動車の福田剛史(フクタ ツヨシ)氏の2名がメカニックとしてチームに帯同する。
そんなメカニックのひとりである栃木日野の斎藤明延氏は、「7月からチームに合流し、車両製作に携わってきました。12月14日~16日に開催された前哨戦であるジェッダラリーでは、大小さまざまなトラブルが起こりその対応に追われましたが、その都度ワクワクしている自分がいます。
ダカール・ラリーでも、楽しみつつ効率的な作業をしていければと思っています。より一層のチームワーク向上と各部品が求められる機能をしっかりと果たせる整備をしていきたいです。本戦まで残り僅かでまだまだ覚えなければならない事も多いですが、やり残しの無いように頑張ります」とコメント。
さらにもう1名のメカニックを務める愛知日野の福田剛史氏は、「ジェッダラリーでは、チーム全員で力を合わせることの大切さや臨機応変に対処する大切さを再確認できました。
ダカール・ラリーは初参加のため少し不安もありますが、車両がどんな状態で帰ってきても、翌日の朝には走れる状態にできるよう、チーム一丸となり上位を目指したいです。また、ダカール・ラリーで得た経験を販売会社に持ち帰り、若い人たちに諦めない大切さなどを伝えたいと思います」とコメントした。
最後に日野自動車では、「開催期間中は、チームのSNSおよび日野公式ウェブサイト ダカール・ラリーの最新ニュースにて随時情報を更新してまいります。ご声援のほど、よろしくお願いいたします」と結んでいる。
車両スペック等
ドライバー:菅原照仁
ベース車両 :HINO 600シリーズ
エンジン型式 :A09C-TI(ターボインタークーラー付き)
エンジン形式 :ディーゼル4サイクル直列6気筒
排気量 :8.866L
エンジン最高出力 :800PS (588kW)/2800rpm
エンジン最大トルク :248kgm (2430Nm)/1600rpm
駆動方式 :フルタイム4WD
トランスミッション :AT(前進6速・後退1速)
トランスファー :Hi-Loレンジ切替付、センターデフロック付
タイヤ XZL :14.00R20
車両重量 :8,290㎏
全長 :6,620㎜
全幅 :2,500㎜
全高 :3,320㎜
ホイールベース :4,170㎜
燃料タンク :800L