日野自動車は10月28日、ドイツのTRATON(トレイトン)と、電動車の企画と提供に向けた協業契約を締結したと発表した。今回の協業においてトレイトンと日野は独自の強みを融合させながら、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の開発、およびソフトウェアや各種インターフェイスを含む電動プラットフォームや電動化コンポーネントの共通化を推進させていく。
今回の協業に至った流れは、2018年4月、日野とフォルクスワーゲン・トラック&バス(現トレイトン)は、長期視点、対等かつ互恵的な戦略的協力関係の構築に向けた合意書(Strategic Cooperation Framework Agreement)の調印からスタートしている。両社は「お客様に最高の価値を持続的に提供していく」との考え方を共有し、2019年に調達ジョイントベンチャーを設立。そして今回、電動化領域の協業を具体化したものだ。
高い専門性を持つ両社のメンバーでチームを形成し、まずはスウェーデンのセーデルテリエで活動を開始し、のちに東京にも拠点を構える計画。日野とトレイトンでは、将来社会に必須となるEVやFCVといった電動車の実用化に向けたリードタイムをさらに短縮させていくとしている。
日野自動車の下社長は、今回の締結について以下のようにコメントしている。
「調達領域に続き、喫緊のニーズである地球温暖化防止に貢献する電動化領域においても、トレイトンとのシナジーが具現化することをうれしく思います。商用車メーカーならではの強みを掛け合わせ、電動車の一括企画を行い、お客様に最高の価値を提供してまいります」
また、トレイトンのグルンドラーCEOは、2025年までに10億ユーロを電動化に投資するというトレイトングループの目標を語るとともに、以下のコメントを残した。
「トレイトンの使命は、人、地球、そしてパフォーマンスをきめ細かく調和させることです。強力なパートナーである日野との新たな協業は、電動化に関する次の重要なステップであり、我々の使命を前進させるものです」