日野自動車と中国の比亜迪股份(BYD)は、4月23日、商用EV開発における協業を中心とする戦略的パートナーシップ契約を締結した。
両社は今後、協業を通じて商用EVの開発を加速し、顧客ニーズに最適な商品をタイムリーに市場導入することを目指し、先ずは、個別のEV製品の開発から協業を始め、さらには両社の知見を活用して、EVの普及促進に向けて販売面や周辺事業においても協力していくと云う。
バッテリーの研究開発および製造会社として1995年に設立されたBYDは、バッテリーやモーター、半導体デバイス、電子制御などのEVの中核技術に強みを持ち、乗用車や商用車、フォークリフト、バッテリーを含むトータルエネルギーソリューションを提供。
BYD Commercial Vehicleは、バスからトラックまでの幅広いEV製品を揃え、電気バスについては、2011年に中国深センで「BYD K9」が営業運行を開始して以来、50を超える国・地域の300以上の都市で導入され、累計販売台数5万台以上(全長10m超)、その販売において、世界をリードするトップブランドとなっている。
日野は、1991年に世界初の市販ハイブリッド車となる大型路線バスを発売して以来、約30年にわたり電動車の技術革新を進め、小型電気バスや中型プラグインハイブリッドバスも実用化。最新の第6世代ハイブリッドシステムを搭載した大型トラックでは、ディーゼル車比で約15%もの燃費向上を実現(日野測定値)している。
今回の契約締結にあたり、BYD副総裁兼商用車部門CEOの王杰氏は、以下のように話している。
「BYDと日野は、電動商用車の技術革新およびグローバルでの普及促進に取り組んでいます。中国と日本の企業が協力することにより、先端技術と確かな実績を活かして商用EVを開発し、グローバル規模の普及促進をさらに加速してまいります」。
また、日野の取締役・専務役員の中根健人氏は、以下のように話している。
「お客様にとって、実用性・経済性においても本当に価値のある商用EVの実現を目指し、ともに取り組んでいけることをうれしく思います。BYDのEV開発の実績と、日野の長年のハイブリッド車開発で培ってきた電動化技術と信頼性を融合させ、お客様に最適な製品をスピード感をもってマーケットに展開してまいります」。
日野とBYDは、低炭素社会の実現に向けて、最適な商用EVの開発と普及を目指し、ともに取り組んでいくとしている。