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2023年12月6日【イベント】

HEREと村田製作所、ジャカルタの交通問題の解決で提携

坂上 賢治

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位置情報プラットフォーム提供するHERE Technologies(HERE)と村田製作所は12月6日、ジャカルタの交通渋滞を監視。ジャカルタ市当局に向けた渋滞解決のためのソリューション提供で提携することを発表した。

 

ジャカルタの交通渋滞は世界的にもよく知られており、ジャカルタ警察の交通課によると、ひとりの通勤利用者が1回の交通渋滞に巻き込まれる度に、およそ30分の機会損出を被っているという。結果、昨年1年間でインドネシアは推定45億米ドル(約6,600億円)の経済損失を計上することになる。

 

そこでHEREの地図&交通データを、LiDAR技術に長けた村田製作所のトラフィックカウンタシステムと組み合わせることで、ジャカルタ市当局は〝車両数〟〝車両分類〟〝車両の流れの方向〟〝車両速度〟などのリアルタイムデータを獲得。

 

これを基に〝交通量のピーク時間〟〝混雑する移動ルート〟〝交通パターン〟に関するインサイト情報を推測でき、結果、ジャカルタ市のモビリティに関わる多様な課題を積極的に予測し、対処策を打つことができるようになる。

 

photographer:Gunawan Kartapranata

 

またHEREと村田製作所が提供する交通管理ソリューションは、二酸化炭素や気圧センサーに基づく降雨を予測するなど、環境条件を測定し、浸水しているエリアだけでなく、浸水する可能性のあるエリアも含めた通行不能箇所を特定することもできるようになるという。

 

これにより、交通状況に応じ信号機のサイクルを変更するなど、交通量の多い道路の交通のボトルネックを軽減させ、事故を最小限に抑えるなど、交通管理にあたる情報の視覚化が実現した。

 

また村田製作所とHEREは、上記の交通渋滞の改善を超えて、交通渋滞を回避することによりジャカルタ全体の燃料消費量の削減にも貢献。二酸化炭素排出量の低減に繫がる効率的な移動ルートを、交通網利用者に提供できる新たな管理モデルも構築することも実現した。

 

そうしたなかジャカルタ市当局は、交通渋滞が発生する前段階で、最適なルートを交通網利用者へ提案するべく過去の交通データを活用する〝交通予測分析〟の導入を検討している。 また、同システムとインドネシアのスマートシティ構想を統合し、より広域での交通信号の管理システムや、駐車システム、公共交通ネットワークへと接続する計画も立ち上がりつつあるという。

 

村田製作所・ロゴ

 

この成果について村田製作所のトラフィックカウンタ事業プロジェクトマネージャー を務める津守宏晃氏は、「ジャカルタの交通渋滞緩和に向け、HEREとデジタルトランスフォーメーションの取り組みで協力できることをうれしく思います。

 

今回の提携以前は、デジタル化された地図の上に交通データを重ねるだけでしたが、HEREとの協働を通して、インドネシアの首都に於けるより広範な交通問題に取り組むことができ、スマートなデータ駆動型の交通管理ソリューションの可能性が広がりました」と話している。

 

 

対してHERE Japan株式会社・代表取締役社長の枝隆志氏は、 「HEREと村田製作所の戦略的パートナーシップは、テクノロジーによって都市とスマートモビリティを変革するという両社の取り組みを反映したものです。

 

私たちは村田製作所と提携し、ジャカルタにおける交通の視覚化と管理を強化するうえで貴重なインサイトとデータを提供できることをうれしく思います。

 

村田製作所とともに、この成功をインドネシアにとどまらず広げることで、世界中の多くの都市で、より持続可能で効率的な交通システムを実現できることを楽しみにしています」と語っている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。