韓国のハンコックタイヤ(Hankook Tire/以下、ハンコック)は10月17日、国際自動車連盟(FIA)が主管する世界最高峰の電気自動車(EV)レーシング大会「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」との公式テクニカルパートナー活動を本格始動し、2022-2023シーズンから4年間、ワンメイクサプライヤーとして、レースにタイヤを独占供給すると発表した。
また、このパートナーシップの出発点として、9月27日、オーストリアのスワロフスキー・クリスタル・ワールドでフォーミュラEの記念イベントを開催し、フォーミュラE専用のレーシングタイヤ「iON(アイオン)」を初公開した。
これに伴い、同社のモータースポーツの歴史や技術革新の軌跡、またフォーミュラEをはじめとする世界の主要レーシング大会への後援活動が確認できるモータースポーツブランド専用の新たなホームページを公開した。
ハンコックでは、EVの商用化以前から、その技術開発をセグメント別にオーダーメイドで実施してきたが、今回、その長年のノウハウを基に、FIAとの緊密な協力を通じて、性能やエコ素材の適用、転がり抵抗の低減など、フォーミュラEが要求する厳格な条件を満たすEVレーシングタイヤ「iON」を開発。
フォーミュラ第3世代(Gen3)マシンに特化し、オーダーメイド製作される「iON」には、エコ素材が用いられる他、使用済みタイヤを100%リサイクルするなど、フォーミュラEの目指すエコレース、持続可能な価値も追求されていると云う。
フォーミュラEの2022-23シーズンは、最高速度が従来の280㎞/hから320㎞/hに高められたGen3マシンが導入される最初のシーズンとして、ポルシェ、日産、DS、マセラティ、マクラーレン、ニオ、マヒンドラ、ジャガーなど計8社のカーメーカーが参戦。来年1月14日、メキシコシティ・E-Prixで行われる開幕戦では、見込まれる4万人の観戦者が見守る中で、各社が有するEV技術の優秀さが競われる。
ハンコックは、フォーミュラEへのタイヤの供給を通じて、大会を盛り上げていくと共に、蓄積される電動レーシングカーやタイヤのデータを今後のEV専用タイヤの開発に活かし、より良い製品を送り出していきたいとしている。
■(ハンコック)モータースポーツ:https://www.hankook-motorsports.com/en/main.html