
昨年までのピレリに換わり、今年から3年間に亘り国際自動車連盟(FIA)公認のFIA世界ラリー選手権(WRC)の単独タイヤサプライヤーとなったハンコックは、ラリー・モンテカルロ(1月23日から26日)、ラリー・スウェーデン(2月13日から16日)、サファリ・ラリー・ケニア(3月20日から23日)の緒戦3ラウンドを消化した。
この単独タイヤサプライヤー契約は、2025年から27年まで続くもので、昨年12月6日にFIA世界モータースポーツ評議会での投票によって承認された。その結果、ハンコックは最高峰のラリー1だけでなく、サポートカテゴリーであるWRC2や若手の登竜門とされるWRC3、ジュニアWRCといった育成カテゴリーのマシンへのタイヤ供給も担っていく。
なかでも今回、過酷で予測不可能な地形で知られるサファリ・ラリー・ケニアは、2025年WRCシーズンに於いて、ひとつの重要な節目となったと言えるだろう。このラリーでは、荒れた未舗装道路、危険な泥沼を生み出す突然の天候の変化、予測できない野生動物の存在など、ドライバーにとって厳しい課題が待ち受けていた。
このような過酷な状況で高いパフォーマンスを発揮するには、タイヤの並外れた耐久性と安定性が求められる。同社では、「予測不可能な天候や過酷な地形条件の中でも優れた信頼性を発揮した多目的ラリータイヤ〝ダイナプロR213〟で、イベントの安定した運営をサポートしました。
ハンコック&カンパニーグループのチョ・ヒョンボム会長が率いるモータースポーツ研究開発のたゆまぬ努力によって開発されたこのタイヤは、優れたグリップと正確なハンドリングにより、世界のモータースポーツの分野で競争力を再び証明しました。
当社は2023年以降、FIAや大手メーカーと協力してFIA認定の高性能ラリータイヤを開発し、8か国で2,000キロメートルを超える実世界テストを実施してきました。極限の状況下でも最大限のパフォーマンスを発揮するように設計されたこれらのタイヤは、世界のモータースポーツ市場におけるハンコックブランドの存在感を強化し続けていきます」とその成果を謳っている。
ちなみに実際のレースでは、ケニアの荒々しい地形での厳しい戦いの末、トヨタガズーレーシングワールドラリーチームのエルフィン・エバンス選手とコ・ドライバーのスコット・マーティン選手がWRC1クラスで優勝を果たした。
エバンス選手は、前回のラリー・スウェーデンでの優勝とシーズン開幕戦のラリー・モンテカルロでの2位フィニッシュに続き、今シーズン2度目の優勝を果たし、ドライバーズチャンピオンシップタイトルの最有力候補としての地位をさらに確固たるものにしている。
一方、ヒュンダイ シェル モビス ワールド ラリー チームは、2位と3位でフィニッシュし、歴史的なダブル表彰台を獲得した。これは、サファリ ラリーにおけるチーム史上最高の成績となる。今年のイベントには、昨年より33%増の25万人を超えるモータースポーツ ファンが集まり、WRCの世界的な人気の高まりを浮き彫りにした。
今後、2025年のWRCシーズンは、ヨーロッパ、アフリカ、南米、アジアの16か国14ラウンドに及ぶ。第4ラウンドは、スペインのカナリア諸島の一部であるグランカナリア島のイスラスカナリアスラリーで4月24日から27日に開催される。
この新しく追加されたラリーは、高度の変化が激しい技術的に要求の厳しいアスファルトコースを特徴としている。このラリーは雨天時には特に危険となり、ドライバーのステアリングの巧妙さが試されることになる。