博報堂生活総合研究所は2月26日、消費の先行きに関する調査「来月の消費予報」を発表した。
この調査は、20~69歳の男女1,500名を対象に「来月の消費意欲」を点数化してもらうなど、消費の先行きに関する調査を毎月実施、その結果を「来月の消費予報」として発表しているもの。
2021年3月の消費意欲指数は46.5点。前月比+4.8pt、前年比+1.4ptで、ともに増加している。
■3月のポイント
Point 1:季節的な要因と自粛の反動で、消費意欲指数は前月から回復
季節や年度の変わり目である3月は、行事やイベントが多く消費意欲指数が高まる月。今年も前月から+4.8ptと大きく増加し、前年と比べても+1.4ptの増加となった。
消費意欲指数の理由(OA)をみると、消費にポジティブな回答は前月から増加し(21年2月203件→21年3月330件)(以下、西暦略)、ネガティブな回答は減少している(2月1,103件→3月948件)。
具体的には、「新生活、新年度の準備」、「春物などの服が欲しい」など、この時期ならでは回答が前月から大きく増えている(2月39件→3月107件)。加えて「欲しいものがある」(2月92件→3月131件)や「コロナで自粛していた反動で買い物したい、外出したい」(2月8件→3月31件)も前月から増えている。
また、消費意欲指数の理由でコロナ禍に関する回答のうち、消費にネガティブな回答は1月に増加して以来、高止まりの状態が続いているが(1月253件→2月260件→3月268件)、消費にポジティブな回答も前月からやや増えている(2月19件→3月46件)。コロナ禍は気にしつつも、季節柄の消費や今までの自粛の反動が、生活者の消費意欲を動かしているようだとしている。
Point 2:多くのカテゴリーで前月を上回るも、前年と比べてイエナカ消費目立つ
「特に買いたいモノ・利用したいカテゴリーがある」人は28.1%で、前月比+8.0pt、前年比+2.1ptと、ともに増加しており、3月としては過去5年間で最高値となった。
カテゴリー別の消費意向では、「ファッション」、「外食」、「旅行」、「理美容」など、16カテゴリー中13カテゴリーが前月から20件以上増加している。また、前年と比べると、「書籍・エンタメ」、「日用品」など、家の中で利用するカテゴリーが20件以上増える一方、「旅行」、「レジャー」は2月に引き続き20件以上減っている。
前月より全般的に消費意向が高まっているものの、前年と比べてイエナカ消費にシフトした状況は続きそうだと分析している。