タクシー配車システムのGO ( ゴー / 東京都港区、川鍋一朗代表取締役会長 )は4月8日、東京23区・武蔵野市・三鷹市で〝自家用車活用事業(以下、日本型ライドシェア)〟が開始されるのに伴い、日本国内内では初めて自社タクシー配車アプリによるライドシェア車両へのマッチングを実施した。
同社によると、あくまでも初日ゆえと思われるが、GOの配車アプリを利用する1社の〝日本交通〟では当日の参加ドライバーが50人。ちなみに他社では、ライドシェア車両自体を用意できなかったタクシー会社もある。なおタクシー会社が、この〝日本型ライドシェア〟のサービスを提供できるのは国交省が定めた地域と時間帯に限られる。
その概要は、正規のタクシー車両による充分な配車が整わない状況下( 正規のタクシー車両がつかまりにくい曜日・時間帯で配車上限以下の状況 )に限定されるものとなり、結果、当該地域での配車数を調整できる建て付け下でのスタートとなった。
つまり、今回始動した「日本型ライドシェア」は、タクシー事業者の管理の下で地域の自家用車や一般ドライバーを起用し、有償で運送サービスを提供するものとなっている。
配車エリアは現段階で限定されおり、特別区・武三( 東京23区+武蔵野市、三鷹市 )、京浜( 横浜市、川崎市、横須賀市 )、名古屋( 名古屋市、瀬戸市、日進市 )、京都市域( 京都市、宇治市、長岡京市 )の4地域。
また稼働できる曜日と時間帯も細かく定められている。例えば曜日では、東京( 特別区・武三 )と京都は平日と土日。京浜は金土日のみ、名古屋は金・土のみ。時間帯で東京は、月~金で7時台~10時台、金土が16時台~19時台、土0時台~4時台、日曜日が10時台~13時台。名古屋では、金曜日の16時~19時、土曜日の0~3時が日本型ライドシェア対応時間帯としている。
従って現状では、日本型ライドシェアに携わるドライバーにとって送迎需要に係る稼働収入も限られるものになると見られるため、今後、新サービスを担う当該ドライバーにとっては、持続的な事業として成り立つかの不透明さも垣間見える。
今回の日本型ライドシェアについて配車アプリを提供するGOでは、「当社は、タクシー車両とのリアルタイムな位置情報連携と高度な配車ロジックによって、お客様と近くのタクシー車両とのマッチング精度の向上に努めてきました。
しかし乗務員不足を起因としたタクシーの稼働車両の不足は業界全体の深刻な課題となっており、インバウンド客も含めたお客様が増加するなかで、GOアプリの利用に於いても天候や場所、時間帯によってはタクシーがつかまりづらい状況があります。
この度の対応により、安全が確保された車両・ライドシェアドライバーによる移動の提供が加わることで、お客様にとってはタクシー利用の繁忙時間帯に於いて呼べる車両数の増加が見込まれ、タクシー事業者様の管理のもと車両およびライドシェアドライバーに関する安全・安心が確保された上で、より早く乗れる快適な移動体験をお届けできる機会が増えるものと考えております」と説明している。
併せてGOでは、タクシー利用者のさらなる利便性の向上を通じて、社会的な課題となっている地域住民や観光客の移動の足の不足という交通課題の解消に貢献していきたいとしている。