フォーミュラEとGoogle Cloudは、最新型マシン「GEN3 Evo」に対応した人工知能(AI)やテクノロジーに関して、複数年パートナーシップを新たに締結した。
これにより、Google Cloudは、フォーミュラE公式のクラウドテクノロジーサービスパートナーおよびクラウドセキュリティパートナーとなり、モータースポーツと電気自動車(EV)レースの新時代を切り拓くフォーミュラEのミッションを後押しする。
そんなGoogle Cloud は、 AI、インフラストラクチャ、開発者、データ、セキュリティ、コラボレーション ツールを提供することで、企業の現在と未来に向けて変革をもたらすのがビジネスモデル。
独自かつ地球規模のインフラストラクチャ、カスタムメイドのチップ、生成 AI モデル、開発プラットフォーム、AI 搭載アプリケーションを備えた強力で完全に統合および最適化されたAI スタックを提供し組織の変革を支援。200 以上の国と地域で多くの技術企業がGoogle Cloudを利用している。
今回の提携は、フォーミュラEがデータ移行をGoogle Cloudに、組織内の情報共有をGoogle Workspaceに移行できたことに基づいて実現した。これにより、フォーミュラEは、以下に挙げる様々な取り組みを通じて、同シリーズの成長の可能性をさらに広げていく。
Google Cloudとの提携拡大におけるポイントは以下の通り
生成AIによりパフォーマンスを飛躍的に向上
Google CloudのエンタープライズAIのプラットフォーム「Vertex AI」と「Gemini」が、ドライバーのパフォーマンス分析に革新的な変化をもたらします。個別にカスタマイズされた分析結果やリアルタイムのフィードバックなど、若手からベテランまで、あらゆるレベルのドライバーに役立つ情報を提供します。この画期的なデータ分析・提供により、ドライバーのスキル向上やトップレベルのドライバーコーチングに繋がります。また、膨大なマシンデータやサーキットデータを集約し、レーシングスタイルやタイヤ、エネルギーなどといったドライバーの戦略をサポートします。
ファンエンゲージメントの強化
Google Cloudの生成AI対応データプラットフォームである「BigQuery」が、フォーミュラEのCRM(顧客管理システム)に接続し、一人ひとりに対して高度にパーソナライズされたファン体験を実現します。また、TV用のレース予測に関する詳細な情報や、ビデオデータや車両テレメトリデータ、SNSといったあらゆる種類のデータにアクセス可能となります。
サイバーセキュリティの強化
Google Cloudは、脅威インテリジェンスやインシデントレスポンス、セキュリティオペレーションなど、高度なセキュリティ対策を提供し、フォーミュラEのクラウド環境内の重要なデータやオペレーションを安全に保護します。
革新的なGENBETAプロジェクトの拡大
未来のEVレーシングカーと乗用EV車に使用される新素材や技術の開発・革新を目指すプロジェクト「GENBETA」においても、本提携によりGoogle Cloudとさらなる協業を進め、モータースポーツの安全性やパフォーマンス、革新性、サステナビリティに関する可能性の拡大に貢献します。
この提携拡大にあたりフォーミュラEのジェフ・ドッズCEO(最高経営責任者)は、「Google Cloudと新たな複数年契約を締結し、パートナーシップ拡大を発表できることを大変うれしく思います。この提携は、単に我々の技術力を高めるだけでなく、チャンピオンシップとしての幅広い成長と進化を促進するでしょう。
また、先進的な考えをもつグローバル企業と提携することで、世界で最も刺激的で革新性に富んだレースを持続的に開催でき、フォーミュラEに飛躍的な変化をもたらします。GENBETAプロジェクトなど、これまでの成功と記録を基に、Google Cloudとともに開発された新技術やソリューションが、レーシングカーの性能と能力をさらに高め、ファンの方々により速く、より近く、より迫力あるレースをお届けできるでしょう。
シリーズの継続的な成長と4億人近いファンベースの拡大という、世界で最も革新的で急成長を遂げているスポーツ分野のひとつにおいて、この新たな提携がさまざまな価値を高めていくことでしょう」と述べた。
またGoogle Cloud EMEAのタラ・ブレディ社長は、「Google Cloudの生成AIツールと先進的なデータ分析、そしてVertex AIやGeminiを活用することで、私たちはフォーミュラEがモータースポーツのイノベーションを加速させることをサポートしていきます。私たちはともに、サステナブルなレースの限界に挑み、多様な視点で実現可能性について再定義していきます」と話している。