Global Mobility Service(GMS)とデンソーは、インドネシアにおけるコールドチェーン物流網構築に向け、生鮮食品などを商業施設や一般家庭に配送する小口保冷輸送サービスの実証事業を10月から開始する。
今回実証で両社は、将来的な事業化に向けた課題の特定とその解決を図るためのビジネスモデルの確立を目指す。
ASEAN各国では、経済成長に伴う食生活の多様化や電子商取引の普及などにより、冷凍冷蔵食品への需要が高まっていると云う。
しかし一方で、食の安全・安心確保のための保冷輸送サービスにおいて、保冷車の不足等の課題を抱えており、保冷車の導入を進めるとともに、ドライバー確保のために就業機会を増やしていくことが必要とされていると云う。
GMSとデンソーは今回の実証事業で、インドネシアにおける小口保冷輸送サービスの実現可能性を検証。
デンソーの小型冷凍機を搭載した小型保冷車をドライバーに貸し出し、ドライバーは荷主から請け負った生鮮・冷凍食品の配送業務を行う。この配送業務を通じて、小口保冷輸送のニーズや課題、ドライバーの配送収入などを検証する。
また将来的には、GMSが事業展開する車両ローン返済の仕組み(*)をインドネシアで展開し、これまで与信審査が通らず車両を所有できなった貧困層や低所得者層の就業機会の創出・所得向上とともに、インドネシアにおける保冷輸送サービスの改善への貢献を目指す。
GMSは、日本発の金融包摂型のグローバルベンチャーとして、「モビリティサービスの提供を通じ、多くの人を幸せにする。」を理念に掲げ、日本及びASEAN各国で活動。世界で17億人にも上る金融サービスへアクセスできない人々への活躍の場の提供等を目的に、金融プラットフォームの構築を行っている。
デンソーは、2017年3月のGMSへの出資以来、モビリティIoTビジネスの発展可能性の検証を重ねてきたが、新興国を中心とした様々なビジネスの可能性をさらに検証するため、今年8月、GMSに対し、追加出資を実施。今後、商用車向けにビジネスを行うドライバーやサービス業者のニーズや課題を把握し、市場ニーズ先行型の事業開発を推進するとともに、コールドチェーンなどの物流網構築を目指す。
GMSとデンソーは、提携先の荷主やファイナンス会社各社と共に、IoT技術を活用した革新的なサービス展開により、働く意欲のある人の生活を豊かにすべく、食の安全・安心な輸送に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献していくとしている。
*)GMSが事業展開する車両ローン返済の仕組み:IoTデバイスとモビリティサービスプラットフォームを活用した仕組み。リアルタイムに車両を管理し、ローンの返済が滞納された場合には、遠隔操作でドライバーがエンジンを始動できない状態にし、返済完了後にエンジンを始動可能な状態に戻すことで、ドライバーに対して計画的な返済を促す。
[実証事業の概要]
<締結日>
2019年6月10日(月)
<目的>
インドネシアにおけるコールドチェーン物流網構築に向けた、小口保冷輸送サービス提供による事業可能性の検証。
<内容(検討事項含む)>
・実証事業に参画頂ける荷主候補へ営業。
・実証事業終了後の金融機関様による配送ドライバー向けローンの提供に向けた経済合理性の仮説検証。
・ASEAN等各国での事業可能性の調査、テストマーケティングの実施。
・デンソー製冷凍・冷蔵機温度管理データの取得・分析に向けた検討。
[GMSについて]
GMSは、独自開発の自動車の遠隔起動制御を可能にするIoTデバイス「MCCS(*1)」とモビリティサービスプラットフォーム「MSPF(*2)」を活用したサービスモデルを構築し、日本国内およびASEAN各国市場で提供している。
<会社概要>
– 会社名:Global Mobility Service株式会社
– 代表者:代表取締役 社長執行役員/CEO 中島 徳至
– 所在地:東京都港区芝大門1丁目12番16号 住友芝大門ビル2号館 4階
– 事業内容:
・モビリティサービスプラットフォームの提供。
・クラウド上に蓄積したビッグデータの二次活用サービス。
– 設立日:2013年11月25日
*1)MCCS(Mobility-Cloud Connecting System):自動車の位置情報を特定すると共に、安全に自動車のエンジン遠隔起動制御を行い、センシングを可能にするシステム。
*2)MSPF(Mobility Service Platform):モビリティを対象とした管理・制御・データ分析などを行い、クラウド上でOpen APIを通じた外部システムとの連携を可能にするプラットフォーム。
■Global Mobility Service:https://www.global-mobility-service.com/