ゼネラルモーターズ(GM)は米国時間の2月28日、業界に先駆け、埋立地不要の廃棄物処理プログラムをカナダ、メキシコ、南米にある全ての製造拠点に拡大すると発表した。
これらの工場では既に、日常的な生産活動に伴うすべての廃棄物をリサイクル、再利用するだけでなく、エネルギーに変換。
今回新たに27の施設が認定されることで、GMの埋立廃棄物ゼロの製造施設および非製造施設は、全世界で142カ所になると云う。
サステナブル・ワークプレイス担当のGMバイス・プレジデント デーン・パーカーは、「私たちが目指すのは、すべての製造工場で廃棄物処理の埋立地を持たない、廃棄物ゼロ企業です。この廃棄物ゼロを推進しているのは、弊社のローカルチームであり、実際の生活や労働の場であるコミュニティーを改善するための、革新的かつ持続可能なソリューションを見つけ出そうする彼らの努力により実現しています」と、述べている。
カナダでの取り組み
カナダの製造拠点では、埋立処分となる廃棄物をすべて生産活動に流用することで資源を維持、温室効果ガスの排出削減を実現しているとのこと。
また、小規模でシンプルなソリューションも、効果を発揮しつつあるとし、その例として、オシャワの組立工場とカナダのテクニカルセンター(オシャワ・キャンパス)を挙げている。
これらの事業所では、簡易キッチンや人通りの多い場所にゴミ、堆肥、リサイクル用の新しいコンテナシステムを設けたことで、リサイクル効率が向上。
現場での指導や従業員の参加により、回収ボックスを利用したリサイクル率は、2016年以降、45%から80%へ上昇したと云う。
GMのグローバル・ウエイスト・リダクション担当マネジャー ジョン・ブラッドバーンは、「私たちは、物事をただ見るのではなく、その可能性に目を向けます。私たちにとって廃棄物は、有効な資源と捉えることもできます」と述べている。
南米での取り組み
南米のチームは、古いコンクリートを敷地内の新しい歩道に再利用する試みから、塗装工程で使った、油が染み込んだクロスを廃棄せずクリーニングして活用することまで、廃棄物削減のために創造性に富んだ、かつシンプルなソリューションを模索。
例えば、ブラジルにあるサン・カエタノ・ド・スル工場では、施設全体から出た空き缶を、サプライヤーが部品の出荷に使用していたビニール袋に入れて廃棄。
このプロジェクトにより、毎年約8,000枚のビニール袋を埋立処分せずに済んだとのことだ。
GMは、世界規模での廃棄物管理への取り組みは、効率性の向上、利益の創出、コスト削減、会社の売上と利益にとって重要であると認識。
79カ所の埋立廃棄物ゼロの製造拠点では、日常的な生産活動に伴う廃棄物のうち平均で約96%が再利用やリサイクル、または堆肥用に回し、残りの4%はエネルギーに変換しているとのことだ。
同社はまた一方で、グローバルな事業展開と社外との協力関係、ベストプラクティスの共有が重要であるとし、米国「Materials Marketplace」を支援。
「Materials Marketplace」は、従来の産業廃棄物フローと異なるフローをマッチングさせて新しい製品や収益機会につなげるための、企業向けオンライン・データベースである。
更に、埋立廃棄物ゼロの青写真を共有するだけでなく、毎年約25社を対象に、複雑化する廃棄物処理の最適な管理手法について指導・育成。
新たに認定を受けた埋立廃棄物ゼロ施設およびその他の情報は、同社サイトで確認することができる。
GM.green:
http://www.generalmotors.green/product/public/us/en/GMGreen/home.html