米国のゼネラルモーターズ(GM)は現地時間の6月8日、GMの電気自動車(EV)に、米・大手EVメーカー“テスラ ”が開発した充電規格(NACS)のコネクタを導入すると発表した。これにより、GMのEVユーザーは、北米全域にあるテスラの1万2,000基のスーパーチャージャー での充電が可能になる。
GMは、テスラとの協業により、充電設備への継続的な投資を補完し、家庭や職場、公共施設などでの充電へのアクセス拡大を強化。総合的な充電アプローチである「アルティウム・チャージ360」構想と、モバイルアプリを通じて、現在提供している134,000基以上の充電器を基盤に、充電設備をより発展させていく。
GM製EVは、2024年から、充電用アダプターを介することでテスラ・スーパーチャージャー・ネットワークの利用が可能に。2025年には、NACSコネクタを初搭載し、アダプターなしでも充電できるようにする。また将来的には、NACS対応車向けにCCS対応の急速充電ステーションでの充電を可能にするアダプターも提供する予定だと云う。
さらにGMでは、テスラ・スーパーチャージャー・ネットワークを車両およびモバイルアプリに統合。充電施設の確認や、料金の支払いなども迅速かつ容易にできるようにする計画。これにより、拡大する「アルティウム・チャージ360」ネットワークの充電ステーションや、他の充電ネットワークと統合して提供する追加充電ステーションでのサービスを補強するとしている。
[各社のコメント]
・GM 会長兼CEO メアリー・バーラ氏
「私たちが考える全車電動化の未来とは、カテゴリーや価格帯を問わず、世界トップクラスのEVを数百万台生産し、EVの大量普及を加速させるエコシステムを構築することです。今回のコラボレーションは、GMの戦略の中核であり、お客様の急速充電器へのアクセスを迅速に拡大するための重要な次へのステップとなります。私たちのお客様にとって、EVへの移行をより円滑にするだけでなく、北米の充電規格の統一に向けて業界を動かす一助となるでしょう」。
・テスラ 充電インフラ担当シニアディレクター レベッカ・ティヌッチ氏
「私たちの使命は、世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させることです。すべてのEVオーナーにどこでも利用できる信頼性の高い充電を提供することは、その使命の根幹をなすものです。私たちは、GMのような異なる業界のリーダーたちと協力して、NACSを通じてテスラ・スーパーチャージャー・ネットワークへのアクセスを提供できることを大変うれしく思っています」。
GMは、「アルティウム・チャージ360」の取り組みの一環として、家庭、職場、公共の充電設備の設置を加速させるため、今後も業界各社と協力。現在北米にある既存のDC急速充電器約1万3,000基にパイロット社やEVgo社と協業して5,000基以上を追加する計画に加え、今回のテスラ社との新たな協力により、同社EVユーザーに、北米最大級の高出力充電ステーションの統合ネットワークを提供していくとしている。