技研製作所(本社:高知市、代表取締役社長:森部慎之助)は5月17日、ダイヘン(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:蓑毛正一郎)と共同で高知本社の超小型EV専用の機械式駐車場「EVエコパーク」で、自動ワイヤレス充電の運用実証を開始した。
機械式駐車場で自動ワイヤレス充電の運用実証は国内で初という(技研製作所調べ)。実証は10月末まで実施し、実用化に向けて課題を抽出して改善に繋げていく。
具体的な実証概要は、ダイヘンが開発したワイヤレス充電システム(非接触充電)の受電装置を超小型EVに搭載し、給電装置を「EVエコパーク」に設置した。
これは手動でケーブル接続を行う従来の接触充電仕様と異なり、入庫するだけで自動的に充電がスタートするので利便性が飛躍的に向上する。
使用した車両はトヨタの超小型 EV「C+Pod」。平素の利用は同社社員が通勤時などに利用し、システム連動や従来の接触充電仕様との比較試験等を行っていく。
技研製作所では、「運用実証で培った技術は、普通自動車や軽自動車タイプのEVにも適用可能であり、将来的にはそれらの自動ワイヤレス充電に対応するEVエコパークの展開に繋げられます。
この実証を社会実装に結び付けることで、EVの普及を後押しし、カーボンニュートラルや機能的なまちづくりに寄与していきます」と話している。
実証機器・車両
【超小型EV専用機械式駐車場 「EVエコパーク」(技研製作所製)
その構造素は直径9.5m、高さ15mの円筒型で、占有面積は約80㎡。収容台数は40台(1層8台×5層)。一般的な平置き駐車場の約5分の1の占有となる。
入庫時間は平均で18.9秒(最短 15.5秒)、出庫時間は平均19.7秒(最短 17.2秒)。待ち時間が少なく、滞留も発生しづらいため駐車場前に広い待合スペースをつくる必要がないと謳っている。
入庫時に、機械装置が車両を所定位置に自動搬送する。ワイヤレス充電システムは、駐車時に車両の受電装置と充電設備の給電装置の距離が離れてしまうと充電効率が下がる課題があるが、EVエコパークは充電に適した位置に収容でき、最大効率での充電を可能にするという。
なおEV 用ワイヤレス充電システムはダイヘン製の「D-Broad EV」を使用。所定の位置に停めると車両を検知し自動で急速充電を開始する仕組。なお今後ダイヘンにより急速充電レベルのシステム開発が推進される予定としている。