(写真、左から右へ)SMSグループ_ブルクハルト・ダーメンCEO、ティッセンクルップスチール_ベルンハルト・オスバーグCEO、ヘンドリック・ヴュスト_ノルトライン=ヴェストファーレン州知事、ティッセンクルップAG_マリーナ・メルツCEO、デュイスブルク市長、ティッセンクルップスチール_テキン・ナシコル総労務評議会議長
神戸製鋼所は自社傘下の米国ミドレックス社( Midrex Technologies, Inc )のMIDREX FlexTM直接還元鉄プロセス( MIDREX FlexTM / 還元に利用する天然ガスを最大100パーセントまで柔軟に水素に置き換えることができる )が、独ティッセンクルップ社( thyssenkrupp Steel Europe AG )のデュイスブルグ製鉄所で建設予定の水素還元鉄プラントに、世界で初めて採用されたと3月14日付けで報道発表した。
このプラントでは、初期の段階では還元剤として天然ガスを利用するが、ティッセンクルップ社が十分な水素を調達出来るようになる見込みの2027年以降、最大で水素100パーセントへの移行を計画している。
MIDREX FlexTMは、天然ガスから水素へと柔軟に還元剤を転換出来るプロセスで、トランジション期間( 段階的な二酸化炭素排出量の削減 )にも対応可能とする事でカーボンニュートラルの実現に大きく貢献する。
プラントの生産能力は年産250万トンで、ドイツ最大の直接還元鉄プラントとして、2026年末のプラント立ち上げを予定している。
同プラントの設計、機器供給、建設については、ミドレックス社がPW社( Paul Wurth S.A. )と共に実施する。
今回ミドレックス社が提供する直接還元技術とPW社の親会社であるSMSグループの溶解炉により、ティッセンクルップ社の既設高炉法と比較して年間350万トンの二酸化炭素( CO2 )排出量の削減が可能となる。
MIDREX FlexTMのプロセスは、世界の還元鉄生産量の約80%( 天然ガスベースの直接還元鉄 )を占める直接還元法のリーディングプロセス。
神戸製鋼所は、天然ガスを改質したガス( CO+H2 )を還元剤とするMIDREX NGTM( 従来の天然ガスベースのMIDREX NGTM直接還元鉄プラント )、100パーセント水素を還元剤とするMIDREX H2TM( 100パーセント水素を還元剤にほぼCO2排出量ゼロで還元鉄を生産可能 )。
そして今回採用された天然ガスを水素に柔軟に置き換えることが出来るMIDREX Flex™という3つのプロセスを保有しており、神戸製鋼所及びミドレックス社はこれらプロセスの提供を通じ、世界の鉄鋼業界のカーボンニュートラルへの取り組みに貢献し、持続可能な社会の実現に取り組んで行きたいと話している。
Midrex Technologies, Inc.概要
設立:1983年(買収)
所在地:米国 ノースカロライナ州 シャーロット市
代表者:社長・CEO Stephen Montague
Paul Wurth S.A.概要
設立:1870年
所在地:ルクセンブルク ルクセンブルク市
代表者:CEO André Schneider