古河電気工業は8月21日、自動車の先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)用として量産する“周辺監視レーダ”の技術を応用した交通量を計測するためのトラフィックカウンタを開発、その販売開始したと発表した。
現在、交通量計測データは、渋滞情報の取得、新設道路の計画や、道路の開通効果(交通量や速度の変化)の検証など、多岐に亘って利用されており、最近では、災害等の突発的な事象が及ぼす、交通への影響のシミュレーションにも活用されている。
例えば国内高速道路では、道路下に埋設するループコイル式のトラフィックカウンタが広く利用されているが、2021年7月には、その仕様として準ミリ波を含むマイクロ波方式も認められた。
そこで古河電工では、2018年に開発した高速道路への逆走車の進入を検知する「逆走車検知システム」の技術を活用し、新たに特定小電力無線局として認可された同社の周辺監視レーダ技術を活用したトラフィックカウンタを開発、その販売を開始した。
なお、このトラフィックカウンタは、2019年に「愛知アクセラレートフィールド」にて、実証実験が実施され、現在は知多半島道路で導入されていると云う。
製品の主な特徴は以下の通り
1)移動体の位置・速度・方向・大きさを検知
移動体の位置と移動方向、移動速度を一定時間検出追跡することで通行車両台数を計測するため、ノイズや飛来物などの誤検知要因の影響を受けにくく、また移動体の大きさも検出できるため、大型車・小型車の判別も可能。
2)様々な屋外環境下で安定した検知が可能
電波によって車両を検知するため、昼・夜・逆光など時間や場所による日射量の変化の影響を受けない。また、準ミリ波の特長として雪・雨・霧など天候の影響を受けにくいため、様々な屋外環境下で安定した検知が期待できる。
3)設置が簡単
道路脇のポール等に取り付けることが可能なため、メンテナンス時の車線規制や落下時のリスクが軽減できる。また、道路上に設置するものが一切ないため、設置時の開削工事が不要。路面を傷めることもない。
<仕様>
– 製品名:交通量計測設備
– 主要諸元値:
【レーダ検知部】
・外形寸法:207mm×230mm×87mm
・質量:7kg以下
・動作温度:-20℃~+40℃
【判定装置部】
・外形寸法:580mm×647mm×240mm
・質量:45kg以下
・動作温度:-20℃~+40℃