富士経済は、各国・地域によって異なる様相をみせながら拡大を続けているxEV(EV、PHV、HV、48VマイルドHV、FCV)の世界市場について、主要20ヵ国の市場(乗用車・新車販売台数)を中心に調査。結果を「xEV国別中長期市場予測 2019」にまとめ、その一部概要を公表した。
調査では、主要20ヵ国(欧州8ヵ国、米州2ヵ国、中国、日本、インド、その他7ヵ国)のxEV市場について、普及政策や自動車メーカーの展開状況を踏まえて現状を把握。将来を予測するとともに、20ヵ国以外の国、地域を含めたxEVの世界市場の動向についても整理されている。
[注目市場]
■インドのxEV市場
インドでは、xEV市場の本格的な立ち上がりはまだみられず、2018年の市場はEVを中心に数千台にとどまった。HVは購入における優遇措置が打ち切られたため、2017年と比べて市場は縮小した。
しかし、インド政府は2020年の環境自動車の販売目標を600~700万台としており、加えて、道路交通省が2023年までにEV普及率を15%以上とする目標を表明するなど、国レベルで環境自動車普及に向けた積極的な取り組みがみられ、今後の市場拡大が期待される。
また政府は、EV生産販売促進プログラム「FAME」のフェーズ2を開始。充電ステーションの設置が進められるとともに、インドメーカーもEV事業への注力を強めており、市場はEVを中心に伸びるとみられる。
■オランダのxEV市場
オランダでは、EVに普及に向けての政府施策が推進されており、2020年までに20万台、2025年までに100万台のEV普及台数目標が掲げられ、持続可能な社会を目指す官民パートナーシップに基づき、充電インフラの普及プロジェクトも進められている。
またEVタクシーやEVバスの導入が進むアムステルダムやユトレヒトなどの主要都市では、EV購入に対する独自の優遇措置や車歴の古い内燃車に対する乗り入れ規制など、EV普及を後押しする政策がとられている。
2021年以降、EV購入に関する優遇措置の拡大も計画されており、EV市場のさらなる伸びが期待される。
[48VマイルドHVの世界市場]
48VマイルドHVの世界市場は、2018年時点では、HVやEVと比べて市場はまだ小さいが、2019年以降、大幅な拡大が予想される。
欧州メーカーや中国メーカーが積極的に展開していることから、引き続き欧州や中国、また、北米が需要の中心になるとみられる。
HVやEVに比べて安価で高出力である点をアピールした車種が、特に北米を中心に需要を獲得。今後は多くのメーカーで大部分の車種に48VマイルドHVを設定するとみられる。
また、量産効果により内燃車との価格差が縮まることが期待できるため、市場は大幅な拡大が予想される。
<調査対象>
– 車種:
・48VマイルドHV ・HV
・PHV ・EV
・FCV
– 事例分析:
・欧州(8ヵ国) ・米州(2ヵ国)
・中国 ・日本
・インド ・その他(7ヵ国)
<調査方法>
富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用。
<調査期間>
2019年5月~6月
[調査資料について]
– 資料タイトル:xEV国別中長期市場予測 2019
– 体 裁:A4判 53頁
– 価 格:PDF版 300,000円+税
– 発行所:株式会社 富士経済
– 電話:03-3664-5811(代) /FAX:03-3661-0165
– HP:https://www.fuji-keizai.co.jp/
– メール:info@fuji-keizai.co.jp