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2024年6月18日【MaaS】

滋賀県ら4者、自動運転の実証・実装に向けた調査事業開始

坂上 賢治

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滋賀県( 知事:三日月大造 )、西日本電信電話( NTT西日本 )、NTTビジネスソリューションズ、マクニカの4者は先の5月7日に「滋賀県自動運転社会実装推進事業コンソーシアム協定」を締結。国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業費補助金( 自動運転社会実装推進事業、補助率10/10 )」への応募を行い採択通知を受けた。

 

このコンソーシアム協定により4者は、滋賀県内に於ける「持続可能な公共交通の維持・確保」等の地域課題の解決に向けて、「滋賀県に於ける自動運転の実証・実装に向けた調査事業」を推進していく。

 

近年、全国規模で地域交通の維持や、ドライバー不足等に関する社会課題が深刻化している。そうした社会課題の解決策として自動運転等のモビリティ技術を活用した持続可能な公共交通・物流の実現が急務な状況であり、国でも2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以上の政府目標を掲げ、取り組みが進められている。

 

そうしたなかで滋賀県は、様々な社会情勢の変化に対応した持続可能な交通ネットワークの維持・活性化を図るため、2024年3月に「滋賀地域交通ビジョン」を策定。「誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通」を目指している。そこで本年から、上記の具体化に向けて地域に最適な移動手段について県民と対話を重ねながら「滋賀地域交通計画」づくりを進める。

 

しかし現実には、地域の様々な移動ニーズに対して既存の公共交通だけで応えていくことは困難であり、地域のあらゆる交通手段の活用を介して、個々のニーズに合った利用者増等を図る必要があり「自動運転」は、その選択肢のひとつと考えているという。

 

そこで4者が自動運転分野で協力関係を築き、それぞれの有する人的・物的資源をもって連携・協働し、地域にに適したニーズを洗い出し、自動運転の可能性を検証していく構えだ。

 

より具体的に今回は、「滋賀県における自動運転の実装に適したフィールド調査」を実施するもので、都市構造や移動特性、ニーズ、人口密度、交通資源等を踏まえ自動運転技術に適した地域を洗い出し、フィジビリティ調査、リスクアセスメント、3Dマップ作成等を重ね、来年度の実証運行を目指して調査を進めていく。

 

・ 事業期間: 交付決定後~2025年2月
・ 事業費 : 20,000千円(地域公共交通確保維持改善事業費補助金、補助率10/10)
・ 使用車両・自動運転技術(予定):新型EVバス車両NAVYA EVO
                 -レベル4自動運転システム対応
                 -乗車定員15人(座席11人、立席4人)
                 -速度25km/h(国内推奨速度20㎞/h未満)
                 -EV(最大走行9時間、走行距離100㎞)

 

各者の役割
・ 滋賀県:事業全体の運営、関係者との調整市町へのヒアリング調査 等
・ NTT西日本:市町へのヒアリング調査、自動運転の走行ルート調査 等
・ NTTビジネスソリューションズ:自動運転導入エンジニアリング自動運転の走行ルート調査等
・ マクニカ:自動運転導入エンジニアリング(車両)及びサポート。走行ルートにおけるリスクアセスメント等

 

今後の展開では、今年の事業調査を踏まえて、2025年度に実証運行(自動運転レベルは本事業内で検討)を実施し、経営面・技術面・社会受容性面での課題整理を行い、地域公共交通ネットワークに於ける自動運転の活用可能性を検証することを目指す。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。