滋賀県( 知事:三日月大造 )、西日本電信電話( NTT西日本 )、NTTビジネスソリューションズ、マクニカの4者は先の5月7日に「滋賀県自動運転社会実装推進事業コンソーシアム協定」を締結。国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業費補助金( 自動運転社会実装推進事業、補助率10/10 )」への応募を行い採択通知を受けた。
このコンソーシアム協定により4者は、滋賀県内に於ける「持続可能な公共交通の維持・確保」等の地域課題の解決に向けて、「滋賀県に於ける自動運転の実証・実装に向けた調査事業」を推進していく。
近年、全国規模で地域交通の維持や、ドライバー不足等に関する社会課題が深刻化している。そうした社会課題の解決策として自動運転等のモビリティ技術を活用した持続可能な公共交通・物流の実現が急務な状況であり、国でも2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以上の政府目標を掲げ、取り組みが進められている。
そうしたなかで滋賀県は、様々な社会情勢の変化に対応した持続可能な交通ネットワークの維持・活性化を図るため、2024年3月に「滋賀地域交通ビジョン」を策定。「誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通」を目指している。そこで本年から、上記の具体化に向けて地域に最適な移動手段について県民と対話を重ねながら「滋賀地域交通計画」づくりを進める。
しかし現実には、地域の様々な移動ニーズに対して既存の公共交通だけで応えていくことは困難であり、地域のあらゆる交通手段の活用を介して、個々のニーズに合った利用者増等を図る必要があり「自動運転」は、その選択肢のひとつと考えているという。
そこで4者が自動運転分野で協力関係を築き、それぞれの有する人的・物的資源をもって連携・協働し、地域にに適したニーズを洗い出し、自動運転の可能性を検証していく構えだ。
より具体的に今回は、「滋賀県における自動運転の実装に適したフィールド調査」を実施するもので、都市構造や移動特性、ニーズ、人口密度、交通資源等を踏まえ自動運転技術に適した地域を洗い出し、フィジビリティ調査、リスクアセスメント、3Dマップ作成等を重ね、来年度の実証運行を目指して調査を進めていく。
・ 事業期間: 交付決定後~2025年2月
・ 事業費 : 20,000千円(地域公共交通確保維持改善事業費補助金、補助率10/10)
・ 使用車両・自動運転技術(予定):新型EVバス車両NAVYA EVO
-レベル4自動運転システム対応
-乗車定員15人(座席11人、立席4人)
-速度25km/h(国内推奨速度20㎞/h未満)
-EV(最大走行9時間、走行距離100㎞)
各者の役割
・ 滋賀県:事業全体の運営、関係者との調整市町へのヒアリング調査 等
・ NTT西日本:市町へのヒアリング調査、自動運転の走行ルート調査 等
・ NTTビジネスソリューションズ:自動運転導入エンジニアリング自動運転の走行ルート調査等
・ マクニカ:自動運転導入エンジニアリング(車両)及びサポート。走行ルートにおけるリスクアセスメント等
今後の展開では、今年の事業調査を踏まえて、2025年度に実証運行(自動運転レベルは本事業内で検討)を実施し、経営面・技術面・社会受容性面での課題整理を行い、地域公共交通ネットワークに於ける自動運転の活用可能性を検証することを目指す。