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2024年11月8日【MaaS】

参画5者、佐渡で国内最長ルートを巡る自動運転バス実証

坂上 賢治

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佐渡市、WILLER(ウイラー)、ティアフォー(TIER Ⅳ)、大成建設、新潟交通佐渡の5者は連携し、新潟県佐渡市相川エリアで自動運転サービス導入を見据えた実証実験を11月10日~24日に実施する。

 

佐渡市には鉄道交通がなく、地域公共交通の主軸はバス交通が担っている。一方で1世帯あたりの自家用車保有台数は2.4台と多いものの車を運転することができない学生や高齢者にとっては、公共交通を利用して自由に外出できる地域交通の強化が求められている。

 

当地に於いても今後、人口減少や少子高齢化に伴う運転手不足や利用者数減少による収益性低下が心配される中、持続可能な公共交通を実現するには、安定した供給体制の確保や環境に配慮した事業の確立が重要だという。

 

そこで、自動運転サービスの導入により、閑散路線の維持、そして福祉・物流・小売、教育・観光といった様々な異業種との連携による収益性モデルを構築していくことで、島全体で支えていく持続性の高いサービス構築を目指す。

 

もとより佐渡市では、2025年の自動運転レベル4実装を目指しており、これまで2022年度に実証調査を、2023年度に走行実証を実施してきた。今年度は、昨年度の実証結果を踏まえて自動走行の精度向上と事業面・社会受容性の醸成における最終調整を行う。

 

今実証実験の主なポイントは、以下3点となる

 

(1)昨年度に引き続き、全長約36㎞の国内最長ルートを運行し、起伏の激しい海岸線での厳しい気象条件下における自動走行技術実証を実施する。

 

(2)昨年度課題として抽出した、車両の自己位置推定の精度が低下するトンネル内の走行に於いても、トンネル壁面への特殊塗料塗布による自己位置推定の精度を保ったまま自動走行が可能になるソリューションを活用し、自動走行率を向上させる。(国道交通省の走行空間の技術的検証を目的とした自動運転実証実験として実施)

 

(3)福祉・物流・小売、教育・観光といった様々な異業種との連携サービスにより事業性を確保し、持続可能性を高める。

 

今後3社は、上記を踏まえた実証を通じて、佐渡市が公共交通計画の基本方針として掲げる「持続可能でだれもが利用しやすい公共交通」の実現に寄与していく。*なお国土交通省の令和5年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」を活用し、佐渡市の委託により実施する。*また11月10日(日)は関係者のみの試乗となる。

 

更なる概要の詳細は以下の通り

 

<自動運転バス一般試乗会>
日程:11月13日(水)~15日(金)、17日(日)~20日(水)、23日(土)、24日(日)
運行スケジュール: 運行の詳細は特設サイトで確認する。
運行ルート:きらりうむ佐渡から尖閣湾揚島遊園または岩谷口までを結ぶ全長約36km のルート
予約:特設サイトより予約する。*国土交通省の令和5年度「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」を活用し、佐渡市の委託により実施される。

 

 

<自動運転のしくみ>
(1)LiDAR
レーザーを使用して歩行者、他車両など障害物の検知と障害物と車両の距離を計測。

(2)遠隔監視用カメラ
車内外の走行中の様子を撮影。

(3)物体認識カメラ
検知した障害物が人なのか、物体なのかを認識。

(4)信号認識カメラ
信号の灯色情報を認識。

(5)レーダー
電波を使用して障害物検知や障害物と車両の距離計測する。

 

<車両スペック>
車両:ティアフォー製Minibus
乗車定員:15名(実証では試乗者10名+運行関係者で運行)
サイズ:全長7.19m/全幅2.32m/全高3.05m
車両重量:6,730kg
自動走行時最高速度:35㎞/h

 

<参画団体の役割>
・代表団体:佐渡市
事業全体の企画、進捗管理、成果測定等

 

・業務委託先:WILLER株式会社
実証実験の統括、実証実験の企画・進捗管理、自動運転サービス企画及びアプリ開発、社会受容性の醸成 等

 

・業務再委託先:新潟交通佐渡株式会社
自動運転運行、運行計画策定支援、緊急時対応、ハザードマップの策定支援

 

・業務再委託先:株式会社ティアフォー
車両の提供、自動運転運行支援、自動運転用地図生成、自動運転システム保守・メンテナンス、自動運転技術の開発/評価

 

・業務再委託先:大成建設株式会社
走行空間実証実験実施時の技術(トンネル内においても車両の自己位置を保ち自動走行ができるようにするもの)提供

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。