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2025年1月24日【イベント】

フォーミュラE、ピットストップ時の新急速充電ルールを導入へ

坂上 賢治

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ABB FIAフォーミュラEワールドチャンピオンシップとFIA( 国際自動車連盟 )は1月23日( 英国ロンドン発 )、レース中盤のピットストップで30秒間・600kW( 一般車の充電モードを大きく凌駕する基準 )の超高速エネルギーブーストにより10%のエネルギー増加(3.85kWh)を可能とする新ルール「PIT BOOST(ピットブースト)」を、2月14日〜15日のジェッダE-Prixで許可する予定だ。

 

この新たな「ピットブースト」ルールの追加によりレース中のチームは、エネルギーブーストのメリットとトラックポジションを失うリスクを比較検討する機会を与えられ、それがレースの結果と戦術を劇的に変えることになる。

 

但しこの際のマシン対応は、ふたりのピットクルーのみの作業に限られる。また、この際に観客は、最先端のEV超高速充電技術の一端が体験でき、併せてレース運びについての予測不確実性が高まることとなる。

 

この「ピットブースト」ルールの検討は、前世代マシンのGEN3導入時から繰り返して実践を重ねてきたもの。適応ルールは、ダブルヘッダー時などレース毎に適用の有無が分かれる予定であり、該当するレースでは事前に( 各レースの21日前 )指定された周回数のなかでマシンを呼び戻して30秒間の急速充電が行えるようになる。

 

与えられるチャンスは1チームにつき1台のマシンのみとなる見込み。また条件が限られる見込みだがアタックモードと組み合わせることも許される。

 

フォーミュラEの共同創設者 兼 最高チャンピオンシップ責任者のアルベルト ロンゴ氏は、「徹底的なテストとシミュレーションのプロセスを経て、新たな追加ルールを遂に世界へ向けて発表できることを嬉しく思います。

 

これは、我々のシリーズ戦だけでなく、これからのモータースポーツを考える時、最も野心的で影響力のある追加機能のひとつになるでしょう。PIT BOOSTは、チームとドライバーの両方に強いプレッシャーの下で決定を下すことを求められます。

 

劇的な追い越し、予期せぬ展開、人間の創意工夫の可能性は、ファンの興奮を高め、フォーミュラEとFIAのイノベーションへの絶え間ない取り組みの一端を示すものとなるでしょう。

 

レーストラックから道路への技術移転を促すために誕生したフォーミュラEワールドチャンピオンシップの行方を占うだけでなく、一般向け車両のEVパフォーマンスの将来の可能性にとっても大きな変化を与えうるものとなるでしょう」と述べた。

 

更にFIAのシニア・サーキットスポーツ・ディレクターを務めるマレク・ナワレツキ氏は、「包括的なテストプログラムを経て新ルールのPIT BOOSTを導入することにより、再びEVマシンによるレーシングシーンの可能性を押し広げることを大変嬉しく思います。

 

FIAの技術およびスポーツ規制の一部であるこの先駆的な新機能は、スポーツに新たな戦略的要素を追加するものであり、また高度なレース技術から一般道路への技術移転を目指すFIAの未来設計に対する挑戦的な姿勢を体現するものでもあります。そうした意味でABB FIAフォーミュラE世界選手権は、その最も先駆的な事例となるのです」と結んでいる。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。