フォーミュラEホールディング( FEH )が運営するFIAフォーミュラE世界選手権シリーズ( FE / FIA Formula E World Championship )は11月7日( スペイン発 )、マドリードのハラマサーキット( Circuito Permanente del Jarama )に於いて、FIA世界選手権史上でも初の試みとなる女性のみのテストセッションを初開催。午後の時間帯で日産フォーミュラEチームのアビ・プリング選手が叩き出した最速タイムが始めてFIAの歴史に刻まれた。
このテストセッションの実施は、フォーミュラEが掲げる長期戦略の一環で、世界選手権レース参戦に係る女性の障壁を取り除き、機会の拡大を目指すもの。
参加したドライバー達は、新シーズンに向けたチーム活動のなかで重要な役割を果たすべく、エンジニアリング領域を包括する会議に参加した他、其れ其れのフォーミュラEチームを代表して記者会見、ブリーフィング、インタビューに参加した。
その目的は、モータースポーツ産業で働くことを目指す人々の知名度を高めることにある。従って今回が一度きりの機会創出ではなく、これまで女性の参加と進歩を制限してきた構造的な不平等を分析して、それらを積極的に解消することにあるという。
さて今回のテストでは、プレテストに参加した18人の女性選手に、シーズン11( 2024 / 25 )の新型GEN3Evoマシンのステアリングを握る機会が与えられた。この最新モデルは、FEHによると0-60mphを1.82秒で走り切るなど現時点のF1マシンよりも加速性能で30%優れていると謳っている。
小山美姫選手は、トップから0.842秒差の4番手タイムをマークした
3時間に亘った今セッションは、2024/25 ABB FIAフォーミュラE世界選手権のプレシーズンテストの一環として行われたもの。同セッションで最速タイムを記録したのは、日産フォーミュラEチームから参加したアビ・プリング選手。2番手はジャガーTCSレーシングチームのチャドウィック選手。3番手はマクラーレンフォーミュラEチームのビアンカ・ブスタマンテ選手となった。
< 以下は参加した女性テストドライバー達 >
ジャガー TCS レーシングのジェイミー・チャドウィック選手とリルー・ワドゥー選手
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タグ・ホイヤー・ポルシェのガブリエラ・ジルコバ選手とマルタ・ガルシア選手
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DS ペンスキーのジェス・エドガー選手とベイツケ・フィッサー選手
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日産フォーミュラEレーシングのアビ・プリング選手
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アンドレッティのクロエ・チェンバース選手とネレア・マルティ選手
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エンビジョン・レーシングのアリーシャ・パルモウスキー選手とアリス・パウエル選手
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NEOM マクラーレンのビアンカ・ブスタマンテ選手とエラ・ロイド選手
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マセラティMSGレーシングのタチアナ・カルデロン選手とキャリー・シュライナー選手
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ローラ・ヤマハ ABTの小山美樹選手
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マヒンドラ・レーシングのレナ・ビューラー選手
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キロ・レース・カンパニーのシモーナ・デ・シルヴェストロ選手
< 以下はトップタイムを記録した選手達のコメント >
日産フォーミュラEチームのアビ・プリング選手
「本当にエキサイティングなセッションでした。シミュレーターで学んだことを現実に活かし、日産フォーミュラEマシンを運転するスリルを体験できたのは素晴らしい気分でした。
ラップタイムは好調でとても満足しています。タイヤのピーク時にもっと時間をかけるべきだったと思いますが、全体的にパフォーマンスには満足しています。チーム全員が素晴らしく、私にすべてを説明し、質問にも答えてくれました。本当に感謝しています。
日産フォーミュラEチームの新シーズンに向けた準備に協力できたことを嬉しく思います。将来またこのマシンを運転する機会があればと思っています!」
ジャガーTCSレーシングのジェイミー・チャドウィック選手
「楽しい一日でした。誰もがこんなに短い時間でマシンから降りるべきだったと言うでしょう。最後に赤旗で少し混乱しましたが、本当にクールで、本当に楽しかったです。できればまた戻ってきたいです。
本当に良い経験になったと思います。最も印象的だったのはローンチです。何度か試してみましたが、この車が0から100km/hまでどれだけ速く加速できるかは信じられないほどで、ハイライトでした。」
NEOMマクラーレンフォーミュラEチームのビアンカ・ブスタマンテ選手
「今日はフォーミュラE GEN3 Evoカーを運転する初めての経験でした。チーム全員と仕事をするのはとても楽しかったです。この数か月間、この瞬間に向けて取り組んできました。今、この車を運転する経験ができて嬉しいです。350kwのラップを何周かこなしましたが、これまで慣れていたものよりはるかにパワーがあり、スキルを向上させる素晴らしい経験になりました。
マクラーレンドライバー育成プログラムとNEOMマクラーレンフォーミュラEチームを通じてこの経験を積んだことで、常に目指していたより優れた、よりバランスの取れたドライバーになっていると感じています。テストを3位で終えたことは大きなプラスであり、チームとのこの経験にとても感謝しています。」
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上記コメントを受けてフォーミュラEのCEO、ジェフ・ドッズ氏は、「今日は、世界最高の女性ドライバー18名が当社の新しいGEN3 EvoフォーミュラEカーでコースを走るのを見ることができ誇らしい瞬間を共有できました。わずか3時間で、参加したドライバー達全員が、新しい車の複雑さを理解し始めたため、ラップタイムが急速に短縮されるなど、とても素晴らしく急速なドライビングテクニックの進歩も見られました。
トラックタイムの機会が増え、現在のドライバーと同等のマシンで走行することで、これらのドライバーが車と自分自身を限界まで追い込むことに、益々自信を持ち、彼らの本当の可能性がどこにあるのかを、より正確に示すベンチマークを知ることになったと確信しています。
なおマドリードに於いて4日間に亘り行われたフォーミュラEドライバー達の総合最速タイムは、ジャガーのミッチ・エバンス選手が1分27秒401秒を記録している
ドライバーたちは、数週間後にサンパウロでレースに出場する車を準備する中で、チームや他のドライバーに重要なデータとフィードバックを提供しました。
今日のテストは、女性ドライバーにより多くの機会を提供するという私たちの目標にとって重要なマイルストーンであり、モータースポーツのトップレベルでの平等性を高めるための第一歩です。
テストに参加し、準備を手伝い、さらにはテストセッションをご視聴頂いた人々にとって、これはモータースポーツに於ける真の平等へと向かう長い道のりの始まりに過ぎないことをお示しできたと思います。これからも更に多くのことが起こります」と語った。