KDDIとKDDI総合研究所、セコムは、東大阪市の協力のもと、東大阪市花園ラグビー場において、国内初(※1)となる第5世代移動通信システム「5G」を活用した、AI・スマートドローン (※2)・ロボット・警備員が装備したカメラによる、スタジアム周辺の警備の実証実験に成功した。
今回の実証実験では、KDDIのスマートドローン、セコムの自律走行型巡回監視ロボット「セコムロボットX2」、および警備員に装備した各カメラからの4K映像を、5Gを経由してセコムの移動式モニタリング拠点「オンサイトセンター」へ伝送。広範囲なエリアを高精細な映像で確認し、不審者の認識から捕捉など一連の警備対応が可能となることを実証した。
さらに、5Gを経由してセコムの「オンサイトセンター」で受信した4K映像を、AIを活用した人物の行動認識機能で解析。異常を自動認識して管制員に通知することで、対象警備エリアにおける異常の早期発見と、緊急対処が可能になることを実証した。
KDDIとセコムは2017年2月から5Gの技術実証で提携し、多様な実証実験を通じて、5Gを活用した高度なセキュリティ技術の実現を目指している。
なお、本実証実験で実施した内容の一部は、今後実施されるイベントの警備での活用を予定している。
[実証実験について]
実証実験は、2019年8月16日に、花園ラグビー場において、以下のとおり実施された。
1.花園ラグビー場周辺において、警備エリア全体を監視するドローン、ロボットおよびカメラを装備した警備員が警備エリア内を監視。5Gを活用して、それぞれが撮影した4K映像をリアルタイムに伝送し、セコムの「オンサイトセンター」でモニタリングを実施。
2.オンサイトセンターでは、受信した4K映像をAIで解析し、異常行動を自動で認識。
3.オンサイトセンターの管制員が、警備員とロボットへ現場急行を指示し、対処を実施。
[人物の行動認識について]
KDDI総合研究所が独自に研究開発した行動認識技術(※3)を活用し、オンサイトセンターで受信した4K映像に映る人物を検出するとともに、検出した人物の18カ所の骨格点を深層学習により抽出し、骨格の動きから人物の詳細な動きを認識。
これにより、不審者の発見や、体調が悪く倒れてしまった人、暴動が発生していることなど、AIがリアルタイムに異常を認識することが可能となる。
[各社の役割]
・KDDI:5Gネットワーク・4K映像伝送システム・スマートドローンプラットフォームの構築と提供、警備員が装備するカメラの提供。
・KDDI総合研究所:人物の異常行動を認識するAIの開発。
・セコム:「セコムロボットX2」・「オンサイトセンター」の構築と提供、警備観点での実証実験シナリオの構築。
※1:第5世代移動通信システム「5G」を活用したスタジアム周辺の警備として国内初。(2019年8月19日KDDI調べ)
※2:KDDIの通信ネットワークを利用することで、より長距離で安全な運用を可能としたドローン。
※3:31種類のトレーニング動作や姿勢を認識する宅内行動認識AIを開発 (KDDI総合研究所ニュース:2018年10月9日リリース<https://www.kddi-research.jp/newsrelease/2018/100901.html>)
※:5G端末提供: ソニーモバイルコミュニケーションズ、サムスン電子ジャパン。各社が開発した5G実証実験用スマートフォンを当社5G実証実験向けに利用。
■(KDDI)スマートドローン:http://smartdrone.kddi.com/