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2019年6月7日【経済・社会】

パーク24のEV関連調査、6割がガソリン車以外の購入を検討

NEXT MOBILITY編集部

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パーク24は6月7日、同社会員制ポイントプログラムの「タイムズクラブ(会員数約760万人/2019年4月末現在)」の会員を対象に実施した、「電気自動車」に関するアンケート結果を公表した。

 

「電気自動車」についてのアンケート結果詳細は以下の通り。

 

①電気自動車1回充電あたりの航続距離を「知らない」が7割

 

電気自動車の1回充電あたりの航続距離を「知っている人」は、31%。駐車場やモビリティ等、クルマに関わるサービスを利用したタイムズクラブの会員を調査対象とするアンケートにおいても、3人に2人は航続距離を知らないことが分かった。

 

 

知っていると回答のあった人の内、航続距離についての回答で、最も多かったのは「201~300km」の31%、次いで「301~400km」の28%となった。

 

電気自動車のカタログに記載のある航続距離はアンケート実施時、「164km~400km(※1/JC08モード ※2)」が中心となっており、航続距離を「知っている」人のうち78%は実際の距離を認識している。

 

パーク24は、前回アンケートと比較して、実際の航続距離の範囲を回答した割合は17ポイント上昇し、100km以下の回答も3分の1に減少していることから、電気自動車の航続距離へ理解が深まっていることが伺えるとしている。

 

 

※1:【日産】 LEAF 400km、e-NV200 300km 【三菱】 i-MiEV 164km (調査時の2018年12月時点で販売中の車両)。

※2:国土交通省審査値。実際の走行と同様に、細かい速度変化で運転し、エンジンが暖まった状態だけでなく冷えた状態からもスタートする燃費の測定方法。

 

 

② 6割がガソリン車以外の購入を検討

 

ガソリン車以外のクルマの購入を検討したことがある人は半数を超える58%に。

 

 

ガソリン車以外で購入を検討したことがあるクルマの1位は、42%の「ハイブリッド車」。次いで「電気自動車」が29%、「ディーゼル車」が27%となった。

 

クルマ非保有者では、「電気自動車」を検討したことがあるという回答が33%で、所有者に比べ5ポイント高くなった。なお「PHV」は3%で、前回調査時の31%から大幅に減少した。

 

 

クルマ保有者で、ガソリン車以外の購入を検討したことがある人の約9割は「ガソリン車」を保有。また、「ハイブリッド車」保有者では13%、「ディーゼル車」保有者は7%だった。

 

「ガソリン車」の保有者が、他のエンジンタイプのクルマの購入について検討している割合が多いことが分かった。

 

 

 

③ 電気自動車の購入、若者は航続距離より車種を重視

 

「どのようになったら電気自動車を購入するか」の設問では、7割の人が「価格が手ごろになったら」という結果に。以降、「EVステーションが増えたら」が47%、「航続距離に不安がなくなったら」が39%、「好きな車種があったら」が36%と続いた。

 

 

年代別でみると、「航続距離に不安がなくなったら」では、60代以上が51%で半数を超え、最も低い20代の33%を18ポイント上回った。

 

一方、「好きな車種があったら」は、20代が47%、30代が40%で、若い世代ほど割合が高く、30代以下は、電気自動車購入に、航続距離よりも車種を重視する傾向にあることがわかった。

 

「価格が手ごろになったら」と「EVステーションが増えたら」は、年代による差は見られなかった。

 

 

 

パーク24が行う電気自動車に関するアンケートは、今回で5回目。アンケートでは毎回、「1回充電あたりの航続距離」を質問しているが、「わからない」と回答する人が一定数いるものの、カタログ記載距離の認知率が年々増加していることから、電気自動車に対する理解が進んでいるようだとしている。

 

また、今回のアンケートでは、「ガソリン車」の保有者も、「ガソリン車」以外の購入を検討していたことが判明した。

 

国土交通省と経済産業省は6月3日、2030年度を目標に乗用車の燃費の平均値を25.4km/Lとする、新たな燃費基準値を提示。2016年度の実績から32.4%の燃費改善となるこの燃費基準を達成するには、新たに燃費基準の規制対象となった、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車のさらなる普及促進が求められることとなる。

 

パーク24は、価格帯の見直しや、EVステーションを増設に加え、車種の選択肢の増加も必要なのではないかと結んでいる。

 

 

[調査概要]

 

– 調査対象:タイムズクラブ会員(2017年12月12日以降に入会し、直近でパーク24グループの時間貸駐車場・予約制駐車場・カーシェア・レンタカーサービスを利用した人)

– 調査方法:非公開型インターネットアンケート
– 調査期間:2018年12月12日~2018年12月18日
– 有効回答者数:9,683名

 

※調査結果は、四捨五入による端数処理のため、構成比が100%にならない場合がある。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。