日産自動車は10月27日、石川県かほく市、米沢電気グループの米沢電気工事、石川日産自動車販売の4者が電気自動車(EV)を活用した「災害対応力の強化と低炭素社会の実現に向けた連携協定」を締結したと発表した。
同協定の内容は、かほく市が「電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、米沢電気グループ(米沢電気工事及び日産の販売会社である石川日産自動車販売)が所有する可搬型給電器とEV「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」というもの。これまでの日産自動車の販売店舗からのEVの貸与に加え、米沢電気グループからの可搬型給電器の貸与により、電気自動車と外部給電器を組み合わせた広範囲での電力供給が可能となる。
日産自動車では、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を発表し、全国の自治体や企業と協力して、EV普及を通じて、社会の変革に積極的に取り組んできた。また、かほく市は、すでに公用車としてEV『日産リーフ』の導入やEVから電気を取り出す可搬型給電器を導入している他、EVの急速充電器を市役所へ設置するなどのEV普及策を積極的に推進している。
今回、この『ブルー・スイッチ活動』と、かほく市が推進する環境・防災対策、そして米沢電気グループが推進する、環境および地域貢献活動というそれぞれの取り組みに4者が賛同し、協定の締結に至ったものである。
日産自動車が締結した自治体・企業との連携協定としては、今回の締結が全国で67件目。EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、『ブルー・スイッチ活動』全体の取り組みとしては94件目となる。
【協定の概要】
・かほく市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、米沢電気グループが店舗に配備しているEV「日産リーフ」と、可搬型給電器を無償で貸与する。
・かほく市、日産自動車、米沢電気グループの協力により、可搬型給電器を介し、電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
・かほく市および日産自動車、米沢電気グループは、低炭素社会実現に向けて、平常時もEVの普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力をEVから供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を市民へ積極的にアピールし、防災・環境意識向上を目指す。また、市のこどもたちの防災意識向上のための教育に関しても連携を行う。
日産自動車、かほく市、米沢電気グループでは、この協定締結を機に、低炭素社会の実現と災害対応力の強化を目指し、電気自動車(EV)を活用した「環境に優しく、災害に強いまちづくり」を推進して、電気自動車(EV)の普及を通じた地域課題の解決に向けて、更に連携を強化していくとしている。
■日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」ウェブサイト:ev.nissan.co.jp/BLUESWITCH