日本の法律上、従来型のバイオディーゼル燃料は通常の軽油との混合比は5%が上限だが、今回使用した次世代バイディーゼル燃料は、乗用車およびバス共に26%の混合比で使用している。
同社によると、この混合比でも「ユーグレナバイオディーゼル燃料は性質が市販軽油と同等で、既存のディーゼルエンジンに負荷をかけることなく100%使用できることが、いすゞ自動車による試験で確認されている」ため、走行に問題ないとしている。
また、「26%」という数字は、「日本が2030年までに温室効果ガスの排出水準を2013年から26%削減することを目標としていること(パリ協定)に合わせる」という意味もあるという。
2018年10月に、日本初となるバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントの竣工を機として、同社は横浜市、千代田化工建設、伊藤忠エネクス、いすゞ自動車、全日空、ひろ自連をサポーターとして、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す『GREEN OIL JAPAN』宣言を発表。
各協力企業や団体等と共に、2020年までに実証プラントで製造したバイオ燃料を陸・海・空における移動体に導入すること、
2030年までにバイオ燃料を製造・使用するサポーターを日本中に広げることで、バイオ燃料事業を産業として確立すること
を目標に掲げている。
日本では、バイオディーゼル燃料の導入はこれからといえるだけに、同社のこういった取り組みに、今後も注目したい。
<あきもと司 環境副大臣兼内閣府副大臣のコメント>
「これから日本も大きな目標(パリ協定の下での脱炭素社会の実現)に向けて、CO2排出の大幅な削減に取り組んでいく必要があるなか、軽井沢で行われているG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合にて、ユーグレナバイオディーゼル燃料で走る乗用車に試乗することができたことは私たちにとっても励みになりました。環境問題を解決するには、実用化され、ビジネスベースで広く普及することが重要だと思うので、バイオ燃料事業の展開を期待しています。試乗の感想としては、車の馬力も変わらず、快適な乗り心地でした。」
<関芳弘 経済産業副大臣のコメント>
「パリ協定という世界全体の目標があるなかで、バイオ燃料で乗用車を走らせる、ジェット機を飛ばすという取り組みは目標達成に向けて非常に重要ですし、リードしていく点でもとても意味のある取り組みだと考えています。何かの目標をもって国家全体で進んでいかなければならない、そのようなときは、官民協同、産官学連携みんなで力を合わせて挑戦しなければなりません。私たちも応援できればと考えています」
<ユーグレナ社長出雲氏のコメント>
「パリ協定で合意された日本のCO2の排出量削減目標値は、2030年度に2013年度比で「26%」削減することですが、日本のバイオ燃料導入量は世界に比べて遅れを取っています。今回のG20軽井沢では、パリ協定のCO2削減目標の「26%」に合わせて、あきもと環境副大臣兼内閣府副大臣と関経済産業副大臣がご移動の際に使用されたマツダの乗用車、および国内外のメディアの皆様にご乗車いただいたいすゞ自動車のバスの燃料に、CO2を吸収して成⾧する「藻」の一種のミドリムシと、植物由来の廃食油から作った次世代バイオディーゼル燃料である当社のバイオ燃料『ユーグレナバイオディーゼル燃料』を未来に先駆けて「26%」混合しました。ユーグレナバイオディーゼル燃料は、従来型バイオディーゼル燃料と異なり、100%バイオディーゼル燃料で使用することができる次世代型の地球に優しいバイオ燃料です。私は、ユーグレナバイオディーゼル燃料が、2030年の日本のCO2削減目標の達成に寄与するものと確信しています」