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2022年10月24日【エネルギー】

EU理事会、廃棄物中の残留有物質の限界値を強化

坂上 賢治

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EU理事会は中央欧州時の10月24日、廃棄物中の残留性有機汚染物質の限界値を引き下げる規則を正式に採択した。

 

現在、欧州域内に於いて持続性有機汚染物質は新製品に関しては使用されなくなったものの、防水繊維・家具・プラスチック・電子機器などの廃棄物には含まれている。

 

EU理事会は、廃棄物を二次原料として再利用する循環型経済を確立させるために、廃棄物中の残留性有機汚染物質に新しい制限を設ける事を決めた。同規制の採択は2022年6月21日に欧州議会との間で達した暫定的な政治的合意に続くものとなった。

 

EU理事会の環境会議で、アンナ・フバーチコヴァ議長( Anna Hubáčková/チェコの環境大臣 ) は、「この決定は市民と環境を保護するための重要なステップです。これらの物質の多くは過去に私たちに利益をもたらして来ましたが、それらがどれほど有害であるかについては十分な注意を払っていませんでした。

 

今回EUが模範を示し、リサイクル段階での制限強化の決定を下した事を誇り思います。同規制は、持続性有機汚染物質規制の付属書を改訂し、これらの物質のリストに新しい化学物質を組み入れて特定の物質の濃度限界値を強化・制限します。なおこの新しい濃度限界値は、人間の健康と環境をより確実に保護する事になります」と述べている。

 

同規則は、残留性有機汚染物質 (POPs) に関するストックホルム条約の下で、EUの法律を EUの国際公約に沿ったものにする事を目的としている。新しい制限は、無毒の物質循環を達成するという欧州グリーン ディールの目的と新しい循環経済行動計画と一致している。

 

この目的を達成するため、新しい規則はPOPs規則(残留性有機汚染物質に関する規則2019/1021)の附属書IVにいくつかの物質を追加し、その規則の附属書IVおよびVの幾つかの物質の濃度制限値が更新される。

 

主な関連物質は以下の通り

防水繊維や消火フォームに含まれるパーフルオロオクタン酸(PFOA)と関連化合物、電気および電子機器・車両・家具に使用されるプラスチックや織物に含まれる難燃剤ポリ臭化ジフェニル エーテル(PBDEs) 

 

プラスチックや繊維廃棄物、建物の解体によるポリスチレン断熱材に含まれる難燃剤などのヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD)

 

ゴム製コンベアベルト・ホース・ケーブル・シールなどの一部のゴムとプラスチック廃棄物に含まれる難燃剤などの短鎖塩素化パラフィン(SCCPs)

 

灰やその他の産業廃棄物に不純物として存在するポリ塩化ジベンゾ、ダイオキシン(PCB)およびジベンゾフラン(PCDD/Fs)

 

繊維、焦げ付き防止の調理器具、消火泡に含まれるペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)とその塩および関連化合物。なお同規則は、欧州連合の官報に掲載されてから20日後に発効。6か月後に適用される。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。