日産自動車とフォーアールエナジー(以下、4R)は、電気自動車「日産リーフ」とリーフの中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」を組み合わせた新たなソリューションを確立し、9月26日から実証実験を開始する。
実証実験は、「再生エネルギーによる電力調達の実証実験」として、先ず神奈川県内のセブン‐イレブン10店舗で、以下の内容で開始。
セブン‐イレブンは、日産リーフとリーフの中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」をパッケージで導入し、後に営業車としての役目を終えたリーフを定置型蓄電池として再利用する。
[セブン‐イレブンでの実証実験について]
・「日産リーフ」の中古バッテリーを活用した「定置型蓄電池」を10店舗に設置。
・ 発電効率を大幅に高めた太陽光パネルも設置することで、自家発電による電力を効率的に活用。
・ 更に11月から、発電分以外の電力を「卒FIT」電力から調達し、再生可能エネルギー比率100%を達成。
日産は4Rなどと共に、電気自動車やバッテリーの個々の能力変化に応じて二次利用する手法を事業モデル化し、電気自動車のライフサイクルを通じて有効活用する「カスケードリユース(*1)」を目指しており、今回の循環型システムを、このソリューションのひとつとして位置付けている。
現在、古くなった電気自動車は、主に中古車として利用される他、その中古バッテリーがゴルフカートやフォークリフト等に再利用されているが、近年では、定置型蓄電池としての利用も広がりつつあると云う。
また、リーフが2010年12月の初代モデル発売以降、国内累計12万台以上を販売していることから、日産では中古バッテリー市場の更なる拡大を見込んでいる。
なお、今回の実証実験で使用する4Rの定置型蓄電池は、今年6月に世界初のUL(*2)の認証規格であるUL1974を取得した中古蓄電池を採用。
日産は、リーフと中古バッテリーによる定置型蓄電池のパッケージ化により、長期的なライフサイクルにおいて定置型蓄電池のコスト低減を実現。また、大容量40Kwhを蓄電できる同システムにより、災害時の電力源として、十分な電力供給ができるとしている。
日産は昨年5月、日本の各地域が抱える防災や温暖化対策、過疎、観光、エネルギーマネジメントなどの課題を、自治体や企業と共に、電気自動車の大容量バッテリーを活用することで解決する日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」活動を開始。
今回4Rと共に確立したソリューションを、ブルー・スイッチの大きな柱として位置付けている。
日産と4Rは、今回の新たなソリューションを、電気自動車を活用したエネルギーマネジメントの先進的なモデルケースとして、今後、広く普及させていきたいとしている。
*1)カスケードリユース:新品時の品質からは劣化しているが、一次利用後の品質に応じてその製品の資源やエネルギーを最適な形で再循環させること。
*2)UL:Underwriter Laboratory、米国の安全性基準の認証機関