エネオス(ENEOS)は8月24日、横浜旭水素ステーション(神奈川県横浜市旭区/※1)の敷地内に設置した水電解装置(※2)で製造したCO2フリー水素の販売を開始すると発表した。なお、水素ステーション内で製造されたCO2フリー水素の商用販売は、国内初の取り組みとなる。
横浜旭水素ステーションではこれまで、エネオス水素製造出荷センターで製造された水素を販売してきたが、今後はこれに加え、ステーション設置の太陽光パネルからの電力やグループから調達した再エネ電力(ENEOS CO2フリー電力メニュー/※3)を使用し、水を電気分解することで得られるCO2フリー水素も販売していく。
また、今年度中には、水電解装置の運転を、再エネ発電量や水素需要の状況に応じて最適に制御するための水素EMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入も予定。将来的には、水素EMSと様々なエネルギーリソースを遠隔制御するVPP(バーチャルパワープラント)を連携させ、電力需要状況に応じて水素製造で使用する電力量を抑制、もしくは電力の使用タイミングをずらすことで安価になった電気で、CO2フリー水素を製造することを目指す。
エネオスグループは、長期ビジョンにおける2040年のありたい姿として、低炭素・循環型社会への貢献を掲げており、水素事業をその実現に資する取組みとして加速。今後、CO2フリー水素を製造する水電解装置の設置ならびに水素EMSを導入した水素ステーションを全国に展開し、水素ステーションネットワーク全体のCO2フリー化を推進していく。
エネオスは、この事業を始めとしたCO2フリー水素の利活用の推進を更に強化し、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」および目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献していくとしている。
※1:次世代自動車振興センター「燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業」対象ステーション。
※2:株式会社神鋼環境ソリューション製。
※3:エネオスのグループ会社のバイオマス発電所由来の再エネ電気(FIT電気+トラッキング付非化石証書)を活用。
[横浜旭水素ステーション概要]
– 開所日:2015年2月16日
– 所在地:神奈川県横浜市旭区上白根町1151-5
– 運営者:株式会社ENEOS水素サプライ&サービス
– 敷地面積:926㎡
– 供給方式:オフサイト方式と水電解オンサイト方式の併用
– 水電解装置の水素製造能力:30N㎥/時
<横浜旭水素ステーションの構成>