ENEOSホールディングス(以下、エネオスHD)は12月10日、来年1月7日(火)~10日(金)に米国ラスベガスで開催される技術見本市「CES 2025」に出展すると発表した。
CESは、世界中の大企業からスタートアップ企業まで4,000社以上のテクノロジー企業が出展し、各社が誇る最新技術を披露する世界最大級の展示会。前回は、日本からも70を超える企業が出展し、世界150カ国から13万人が来場したと云う。
同展示会には、2023年からグループ会社のENEOSが出展してきたが、2025年はエネオスHDとして出展し、世界で初めて技術実証に成功した「Direct MCH技術」(※1)や「合成燃料」・「潤滑油」・「CCUS」(※2)の研究開発事例など、カーボンニュートラル社会実現に資する各種技術を展示する。
グループの長期ビジョンに〝エネルギー・素材の安定供給〟と〝カーボンニュートラル社会の実現〟との両立に向けた挑戦を掲げ、〝今日のあたり前〟を支え、〝明日のあたり前〟をリードするという決意の下、エネルギー・資源・素材における創造と革新に取り組んでいるという同社は、今回の出展を通じて、グローバルな事業に於いてもエネルギー・素材の安定供給という〝今〟の責任を果たしながら、〝将来〟もその責任を果たし続けるために、エネルギートランジションへの取り組みを推進していくとしている。
※1:Direct MCHはENEOS株式会社の登録商標(登録番号:第6323093号)。
※2)Carbon dioxide Capture,Utilization and Storage:二酸化炭素の回収、活用、貯留。
[展示会の概要]
– 開催期間(現地時間):2025年1月7日(火)~10日(金)
– 開催会場:Las Vegas Convention Center(LVCC)(米国ネバダ州ラスベガス)
– エネオスHDブース:North Hall ブース#9827
– 備考:エネオスHDの出展概要は、同社公式ホームページの特設サイト を参照。
<展示概要>
1.水素サプライチェーン
・MCH(Methylcyclohexane):海外でMCHを製造し、海上輸送。国内のENEOS製油所で受け入れ、製油所近隣の需要家に水素を供給する計画。既存インフラをそのまま水素サプライチェーンに活用してコストを削減する。なお、同社の2040年ビジョンでは、年間100~400万トンの水素供給を目指している。
・Direct MCH:MCH製造を電解槽のみのシンプルなプロセスで実現する、水素キャリアの研究開発を進めてきた同社ならではの独自技術。設備投資削減とエネルギー効率向上を実現した世界初の試みとして注目されており、安価なCO2フリー水素供給に向けてリーダーシップを確立していると云う。
2.合成燃料
〝産業排ガスや大気から回収したCO2〟と〝再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素〟の2つを原料とするクリーンな液体燃料。従来燃料との代替が可能で、モビリティ本体だけでなく既存インフラや輸送手段をそのまま活用できる次世代燃料として、初期投資を抑えながら世界各地で早期に導入できるポテンシャルを持つと云う。
・CCS/CCUS(Carbon dioxide Capture and Storage / Carbon dioxide Capture, Utilization, and Storage):地球温暖化対策としてCO2削減が掲げられるなか(※3)、グループで石油・天然ガスの開発・生産を担ってきたJX石油開発(※4)が、地下技術を強みに、世界に先駆けて研究開発を進めている技術。CCSは、CO2を分離・回収して地下に圧入・貯留する技術で、CCUSは、回収したCO2を地下に圧入するだけでなく再利用する技術。
※3:国際エネルギー機関(IEA)によると、CCUSは2070年までのCO2削減量の15%を担うとされている。
※4:2025年1月1日に社名を「ENEOS Xplora」に変更予定。