ENEOS(以下、エネオス)は9月15日、「ENEOSでんき」および「でんきサービス」の燃料費調整制度に於ける上限価格の設定を11月1日以降、廃止すると発表した。
この変更に伴い、燃料費調整額を含んだ「ENEOSでんき」の電気料金の総額は、各地域の電力会社(東京電力エナジーパートナー等)の料金プランと比較して高くなる場合があると云う。
「ENEOSでんき」では、平均燃料価格の変動を電気料金に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整(燃料費調整制度)しているが、燃料価格の上昇による契約者への影響を緩和するため、この調整額(燃調費調整額)に上限を設定してきた。
しかし、昨今の日本卸電力取引所の取引価格や燃料価格の高騰等の情勢から、電源調達コストが企業努力の及ばない水準まで上昇しており、今後、燃料費調整額の上限設定の維持が困難になるとの判断から、2022年11月1日から、この上限を廃止。また、エネオスが電力を供給する「でんきサービス」についても、同様に燃料費調整額の上限を撤廃する。
1.燃料費調整における上限価格設定の廃止
燃料費調整制度に関し、燃調費調整額の算定に用いる平均燃料価格の上限設定を廃止する。なお、燃料費調整制度および、その変更による燃料費調整単価等への影響については、「参考情報」を参照。
2.燃料費調整額の変更適用開始時期
料金算定期間の開始日(検針日)が 2022年11月1日以降となる電気料金(2022年12月分の電気料金)から適用。
<適用開始時期イメージ>
3.燃料費調整額の変更に伴う契約手続きについて
「ENEOSでんき お客さまページ」および「ENEOSでんきWEBアプリ」上に掲載される燃料費調整額の変更に関する、電気事業法に基づく契約締結前交付書面および契約締結後交付書面を確認の上、以下の手続きを行うこと。
(1)「ENEOSでんき」利用を継続する場合:上記書面の確認以外に、サービス利用契約者の手続きは不要。
(2)他の電力会社への切り替えを希望する場合:他社への切り替えの申し込みが必要(エネオスへの解約の申し込みは不要)。
※切り替えが完了するまで通常約2週間~1カ月程度が掛かる。また、原則、契約切り替えの日は検針日となり、サービス利用者側で指定することはできない。
なお、変更に伴う他社への切り替えに伴い、割引契約約款(にねんとく2割)に基づく解約手数料(税込1,100円)が生じる利用者には、別途、解約手数料相当分をエネオスが補填することで、利用者に負担が生じないよう対応する(詳細は、決定次第「5.その他」に記載の「よくあるご質問」等で案内)。
4.「ENEOSでんき」の電気料金に関する注意事項
今回の変更に伴い、燃料費調整額を含んだ「ENEOSでんき」の電気料金の総額は、各地域の電力会社(東京電力エナジーパートナー等)の料金プランと比較して高くなる場合があり、「ENEOSでんき」のホームページや、パンフレット・チラシ等に記載されている他社料金プランとの比較が、変更を含んだ実際の比較と異なる場合がある。
5.その他
不明な点等は、参考情報の他、ホームページの「よくあるご質問<https://www.faq.eneos.co.jp/?site_domain=eneos>」のQ&Aにて確認。
[参考情報]
1.燃料費調整制度とは
火力発電用の燃料価格(貿易統計に基づく平均燃料価格)の変動を電気料金に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度。燃料費調整額は、各月の燃料費調整単価に使用電力量を乗じて算定。基準とする燃料価格と比較して平均燃料価格が上昇した場合は燃料費調整単価がプラスとなり、平均燃料価格が低下した場合は燃料費調整単価がマイナスになる。
2.燃料費調整単価等への影響
燃料費調整額の上限撤廃は、2022年12月分の電気料金から適用となるが、参考として、2022年10月分の燃料費調整単価について変更前後の方法により算定した場合の比較は、以下の通り。なお、燃料費調整単価は、貿易統計に基づく平均燃料価格により毎月変動する。