ENECHANGE(エネチェンジ)は8月23日、WiTricityとの協業して日本国内へのEV向けワイヤレス充電ソリューションの導入・実証を検討する。エネチェンジは、この実証実験を通じて、電動モビリティの未来を再定義し、急速に進化している業界の変革を目指しいく。
今回エネチェンジが、EVのワイヤレス充電ソリューションの導入・検討を決めた理由は。日本ではEVの普及が進んでいることがある。このため急速なEV普及・拡大に伴い、ワイヤレス充電技術が、いずれ必要不可欠なものになっていくと考えたため。
今回エネチェンジが提携先に選んだWiTricityは、ワイヤレス充電技術で優位性があるだけではなく、充電プロセスを完全に自動化させてメンテナンス費用を下げ、安全性の向上とスペースの最適化が実現できると踏んでいることにある。
そこでエネチェンジは、ジャパン・エナジー・ファンド(JEF)が運営する脱炭素テックファンドを通じて、2022年7月にシーメンスAG、未来アセットキャピタルと共にWiTricityに出資した。
エネチェンジのEV充電サービスは、EVユーザーの利便性を重視しており、将来的にはワイヤレス充電を導入することで、充電体験をよりシンプルにしていくことを視野に据えている。
画像:©️WiTricity
そんな出資先のWiTricityは、EV向けワイヤレス充電の先駆者であり、車種を問わず、磁気共鳴技術の開発と実装をリードする存在であるという。
同社の技術は広範な特許ポートフォリオに支えられており、SAE、ISO、GBを含むEV向けワイヤレス充電の批准済みの世界標準の基盤となっている。
実際、自動車メーカーや一次サプライヤーは、プラグイン充電の手間を省くことでEVの普及が加速し、将来の自動運転の舞台が整うことを、WiTricityに期待しているとしている。
より具体的にWiTricityのワイヤレス充電技術は、地上に設置された充電パッドから、EVの下側に取り付けられた受信コイルに無線で電力を送信する。このため充電ケーブルが必要なくなる。
同社独自の磁気共鳴技術は、2つの共鳴器による磁界共鳴方式により高効率な電力転送を可能にし、独自のチューニング技術により幅広い条件下に於ける効率的な充電環境を実現する。
充電のために床面に配置するパッドは、住宅や車道の他、立体駐車場用などの地上設置型と、駐車場や縁石の塗装に埋め込む地中設置型がある。
WiTricityの充電パッドは平らで共鳴範囲が広いため、車高の異なる乗用車からトラック・バスなどの商用車まで、幅広い車両に対して安定充電できる柔軟性を備えている。更に位置の許容範囲があるため、EVユーザーは充電するために車両の位置を完全に合わせる必要がない。
このようなWiTricityの技術的な優位性を踏まえ、エネチェンジの城口洋平代表取締役社長は、「エネチェンジのEV充電サービス事業は、既に日本に於ける6kWのEV普通充電器の導入を牽引している存在となっております。
しかしEVユーザーに、より良い充電体験をご提供できるように、今後も最新技術の導入に邁進してまいります。
今回、EV充電の次世代ステップであるワイヤレス充電技術に、今から取り組みを始めることで、エネチェンジのEV充電サービス事業の未来に向けて準備を進めてまいります」と話している。