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2025年2月24日【MaaS】

ダイナミックMAPら、新東名高速で自動運転トラックの走行実証

坂上 賢治

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高精度3次元間MAPのダイナミックマッププラットフォーム、システムインテグレーターのBIPROGY、物流スタートアップのNEXT Logistics Japanヤマト運輸の4社は2月25日から、新東名高速道路 で自動運転トラックの走行実証を開始する。

 

より具体的に参画4社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」の取り組みに係る自動運転を支援するデータ連携システムを開発した。

 

今回は、これを基に自動運転トラックの安全な走行およびスムーズな共同輸送による物流最適化の実現に取り組むことを決めた。それは新東名高速道路駿河湾沼津SA―浜松SA間にて、自動運転トラックを用いた走行実証を、2025年2月25日から27日の期間を設けて実施するもの。なお同走行実証では、開発システムでの自動運転トラック運行の走行安全性、共同輸送の効率化の実現性の検証を確認にしていく。

 

自動運転トラックイメージ

 

実証実験概要は以下の通り

 

期間:2025年2月25日(火)~27日(木)
対象エリア:新東名高速道路駿河湾沼津SA―浜松SA
実施内容:
· 共同輸送における最適な運行計画立案
· 自動運転車安全走行支援
· 走行環境変化に対応した運行計画変更
· 緊急事態対応支援
※ 自動運転トラックは先進モビリティ株式会社の自動運転トラック(RoAD to the L4)を利用する。
※ 走行実証はドライバーが乗車し、レベル2相当にて実施する。

 

自動運転を支援するデータ連携システムの概要は以下の通り

 

ダイナミックマップ情報配信による自動走行支援システム
<主に:ダイナミックマッププラットフォーム>
道路形状に応じた高精度な気象情報や渋滞などの道路状況データを車両へ提供可能とするデータ連携システムを開発した。これにより車両単独では検知出来ない数km先の情報を車両が認識可能となる。また、車両の正確な位置情報を物流事業者へ提供することで運行管理、緊急時の退避判断が必要となるシーンでの活用が可能となる。

 

シミュレーションを用いたニアミスシーンを情報共有するシステム
<主に:BIPROGY>
車両や外部システムから取得したニアミスデータを用いてシミュレーション環境を構築し、自動運転車両開発時の安全性検証に資する多様なシナリオの提供が可能となった。

 

自動運転トラックを想定した共同輸送効率化の支援システム
<主に:NEXT Logistics Japan、ヤマト運輸>
荷物情報やトラックの空き情報など共同輸送に必要なデータを入力し、荷物とトラックの空スペースをマッチングするシステムと、荷主・物流事業者が連携できるAPIを開発した。これにより、物流事業者のトラックの積載率や稼働率を向上させることが可能となる。

 

また、当システムと自動運転遠隔監視システム、ダイナミックマッププラットフォームが開発した自動走行支援システムと連携ができる環境を構築した。合わせて、共同輸送時のトレーラーの不正連結や荷受人に扮した不正引き取りなどを抑止するシステムの開発を通じて共同輸送オペレーションのトレーサビリティ管理設計を実施した。

 

なお3社では、「デジタルによる社会課題の解決や産業の発展などに向けて、デジタル技術を活用した新たな社会インフラたる〝デジタルライフライン〟を全国に整備する〝デジタルライフライン全国総合整備計画〟が経済産業省主導の下で検討され、2024年6月に策定されました。

 

中でも〝自動運転サービス支援道〟の整備は先行的な取組であるアーリーハーベストプロジェクトの1つに位置づけられ、物流においては共同輸配送や自動運転トラックの活用といった施策に必要となる連携基盤の構築が求められています。

 

そうしたなかで当該事業では、自動運転を支援するデータ連携システムを開発し、各事業者の業務に共通する機能に必要なデータセットを提供することで、複数の企業や業種間でデータ連携が可能となるデータ連携基盤群のデジタル基盤の構築を図ります。なお、構築する基盤は物流分野のみならず、多様なモビリティ・エリアにて広く活用されうるものを目指します」と述べている。

 

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参考

経済産業省デジタルライフライン全国総合整備計画
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/lifeline_portal/index.html

 

NEDO公募「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発」実施予定先に採択 ~レベル4自動運転トラックを用いた実証実験を2024年度中に予定~(2024年7月24日)
https://www.dynamic-maps.co.jp/news/2024/0724.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。