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2024年7月10日【MaaS】

ドコモバイクシェアとオープンストリート、拠点の共同利用へ

坂上 賢治

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ドコモ・バイクシェアと、OpenStreet(オープンストリート)は7月10日、両社が個々に提供する「バイクシェアサービス」と「HELLO CYCLING」で利用できる電動アシスト自転車を双方のポートで利用・返却できる「ポートの共同利用」で業務提携に合意した。

 

両社は、これまで同一の敷地を分割して各々のポートを設置しているケースが一部であったが、今後は、双方の自転車を双方のポートで利用できるようにすることで、土地利用の効率化と利用顧客の電動自転車を利用する上での利便性向上を図る。

 

また併せて電動自転車の再配置やバッテリー交換自体を協業することでオペレーションを効率化。双方のシェアモビリティ事業の基盤強化を目指していく構えだ。

 

今回、競合相手である両社がシェアサイクル事業を共同運用していくことを決めた理由は、先の新型コロナウイルス感染症を経た短距離移動に対する利用環境の変化がある。

 

実際、自転車推進活用法が施行された2017年と比較すると、ここに至る7年間で電動自転車のポート数が17倍に増加した。もちろん利用の増加も同様に著しく、今や都市部だけでなく、中規模市街でも短距離移動のインフラとして定着が進んでいる。

 

このように短距離移動の電動自転車の利用ニーズが高まるなか、自転車の発着場所となるポートの拡大は利用顧客の利便性に直結するため、各社の事業上の重点課題でもあり、かつ負担になっているエリアも存在する。

 

従って車両の再配置や、バッテリー交換など、シェアサイクル事業上の負担を共に持ち合うことで、特に都市部に於ける事業効率性は、おのずと高まることになる。また双方のブランドの自転車利用を快適かつ安全に運用することは、双方のブランディングという面でもメリットが大きい。

 

そこで今業務提携に際しは、同様の事業課題を持つ両社が、ポートの共同利用および再配置やバッテリー交換の連携などについての在り方を協議。

 

これまで、地域展開や自治体公募などに於いて、両社間で競合となる場面もあったが、むしろ限られたスペースの獲得競争に陥るのではなく、協調していくことにより、利便性の高いサービスの提供と、事業の効率化の両立ができ、結果としてシェアモビリティ事業を地域課題の解決に資する持続可能な交通インフラとして社会に定着させることに繫がると考え、業務提携の合意に至った。

 

 

なお、それぞれの特徴として、ドコモ・バイクシェアは都心部を、OpenStreetは郊外住宅地を中心にポート設置している。従って両社のポートを共同利用することで、両社の資源を最大限に活用でき、利用ユーザーは、より多様な場所への移動にシェアサイクルを利用できるようになる。

 

なお、ポート共同利用に係る具体的な仕様については、現在、両社で協議中となるため、決定次第、別途公表を予定しているという。

 

同提携で両社は、以下の取り組みを推進する

 

(1)ポートの共同利用
両社がそれぞれ提供する電動アシスト自転車を、双方のポートで利用・返却できる「共同利用」を実現させる。双方でリアルタイムに在庫情報を共有するシステムの連携、車両側で相手企業のポートへの返却を判定する仕組みの構築、双方の利用料金を按分するシステムを設計・構築も実現させる。これにより、利用顧客はより多くの利用開始・返却場所を選択することが可能になり、利便性が大幅に向上する。

 

(2)オペレーションの効率化
両社の自転車やバッテリーは共通のメーカーから調達しており、 再配置やバッテリー交換を連携することによるオペレーションの最適化や、コストの効率化が可能。オペレーション最適化により、車体配置の最適化・バッテリー交換頻度の向上が実現しさらなる利便性の向上を図る。

 

(3)共同調達の検討
両社が採用する車体、車体の修理用備品やポートのラックなど、共通の備品が多く存在する。これらの資材を共同調達することにより、よりコストパフォーマンスの高い事業運営を実現させる。持続性の高い事業として、シェアモビリティ事業が継続的に成長することを目指し、協議を進めていく。

 

(4)今後に向けて
今後、業務提携契約を両社で締結し、2025年度にポートの共同利用の実現を目指す。 ポートの共同利用を通して両社のアセットを最大限活用することで、シェアモビリティ事業に大きなシナジーを生み出し、地域住民の皆様や観光目的での利用等、多く利用者に対して、より良い移動体験を提供していく。

 

(5)対象エリア
今後両社で具体的な対象エリアについては検討していく。

 

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<ドコモ・バイクシェアについて>

当社は、地域に根付き人々に愛される新たなモビリティサービスを提供することで健康で環境に優しい日本の「まちづくり」に貢献することをミッションとし、あらゆるステークホルダーの皆さまと共に持続可能な社会の実現を目指している。

 

バイクシェアサービスは、2011年に横浜市における社会実証実験を契機に、全国自治体との共同事業を推進し、日本市場におけるシェアサイクルの拡大に尽力してきた。現在は、28エリアを直営事業として運営すると共に、30エリアへシェアリングプラットフォームを提供し、全国で合計58エリアを展開している。

 

2023年度の年間利用回数は2,200万回を超え、サービス開始以来の累計利用回数も1億回を突破。多くの利用者の移動手段として役に立てることに加え、AIによる需要予測や、これまで積み上げたオペレーションノウハウにより、利用者の移動ニーズを365日支えていく。

 

コーポレートサイト:https://www.d-bikeshare.com/
サービス総合サイト:https://docomo-cycle.jp/
バイクシェアサービスの使い方、アプリダウンロード:https://docomo-cycle.jp/howto

 

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<OpenStreetについて>
OpenStreetは、「移動をもっと楽しく、自由に」をミッションに掲げ、ファースト・ラストワンマイルの移動領域におけるマイクロモビリティのシェアリングサービス「HELLO CYCLING」「HELLO MIBILITY」を提供している。

 

どこでも借りて好きな場所に返せる電動アシスト自転車などのシェアリングサービス「HELLO CYCLING」は、25都道府県で123の自治体と協定を締結して展開しており、公共性が高いサービスとなっている。

 

全国でステーション数は約8,500カ所、会員数は350万人で日々拡大し続けている。今後も拡大していく移動のラストワンマイル問題の解決を軸に、移動手段の提供と、さまざまなアプリ・サービスとの連携やデータの利活用により、移動の楽しさや移動の自由の提供を通じて、各地域のまちづくりに貢献していく。

 

OpenStreet :https://www.openstreet.co.jp/
HELLO CYCLING:https://www.hellocycling.jp/
HELLO CYCLINGアプリダウンロード:https://www.hellocycling.jp/app/openapp

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。