大日本印刷(以下「DNP」)は5月26日、交通結節点「DNPモビリティポート」を開発したと発表した。
「DNPモビリティポート」は、デジタルサイネージでさまざまな地域情報や公共交通の運行情報、デマンドタクシー・デマンドバスの呼び出し、小型モビリティ・シェアサイクルの貸し出し状況などの情報を閲覧できる交通結節点。
さまざまなモビリティサービスの連携を進め、高齢者や観光客を含む様々な利用者の利便性を向上するとともに、モビリティを効率的に組み合わせることで温室効果ガス(GHG)排出量削減にも貢献する。
少子高齢化や地方の過疎化の進展に伴い、地域の公共交通機関の維持・存続が困難となっているほか、都市部では交通渋滞や環境問題などの課題も顕在化している。一方、規制緩和により、多くのモビリティサービスの提供が始まっているが、それぞれが連携していないため、生活者にとって使い勝手が良いものになっていない。DNPはこうした社会の課題解決に向けて、「DNPモビリティポート」を開発した。
DNPは今後、自治体や公共交通事業者、商業施設などとコラボレーション(共創)しながら、「DNPモビリティポート」の機能をさらに強化。2020年から2021年にかけて複数の実証事業に参画し、2022年度からの本格展開を目指していく。また、地方自治体や内閣府が推進しているスーパーシティ構想にて、先進的なサービスとのデータ連携を想定し、さらなる地域活性への貢献を目指すとしている。
なおDNPは、このサービスを2021年5月26日~7月30日に開催される「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2021 オンライン」と、2021年6月4日~7日にオンライン開催される日本ユニシスグループの総合イベント「BITS2021」に出展する。
【DNPモビリティポートの導入事例】
静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト(2020年11月~12月)
静岡市のJR草薙駅・JA清水厚生病院の2箇所に、通信型タッチパネル式屋外サイネージを設置し、「DNPモビリティポート」の活用に向けた実証実験を実施した。
菰野町観光協会の3密回避に向けた最先端技術活用実証事業(2020年12月~2021年3月)
三重県菰野町の観光スポット6カ所にデジタルサイネージを設置し、小型モビリティ(eバイクや電動キックボード)の発着点として活用した。
地域とつながる小さな拠点づくり社会実験Shibuya Mobility and Information LoungE(SMILE)(2021年6月下旬より実施予定)
東京都渋谷区の東急百貨店本店前に、デジタルサイネージを設置。木材の研究開発を行うNIKKEN WOOD LABの「つな木」と連動した空間づくりを行い、LUUP(電動キックボード)のポートとして活用する。