第一交通産業(田中亮一郎社長、北九州市)とDiDiモビリティサービス(スティーブン・ズー社長、東京都港区)は9月10日、DiDiが提供するタクシー配車プラットフォームを第一交通が導入することで正式に発表した。(間宮 潔)
近くDiDiは利用者向けのスマートフォンアプリケーションを公開、第一交通は今秋にも大阪エリアでトライアルサービスをはじめ、訪日外国人が利用する国際空港に隣接する大都市、観光地(東京、大阪、京都、福岡、沖縄)で順次展開する方針だ。
第一交通はグループ子会社で全国8000台を超えるタクシー車両をかかえ、独自に自動配車アプリ「モタク」を展開する最大手のタクシー事業者だ。このほか資本関係がなく、「第一」の看板を掲げないタクシー事業者400社強とも緩やかな提携関係を結び、全国規模での「ナンバーワン・ネットワーク」を形成する。その勢力はタクシー保有台数で約3万7000台を誇り、業界でのシェアは17%に到達する。上場企業として、タクシー事業を中核にバス事業、さらに不動産事業、医療事業など多角化をすすめ、連結売上は1000億円を超える。
同社の田中社長は「この配車プラットフォームの利用を通じて、訪日外国人旅行者などお客様のニーズに応え、より快適な乗車体験を提供できると確信している」と語り、DiDi日本法人のズー社長も「大阪は訪日外国人にとって人気の観光地であり、観光スポットがエリア内にたくさんあることから、DiDiアプリを使った移動のニーズがかねてからあった。第一交通産業ととともに、近秋のサービス開始に向けて準備を進めたい」とコメントした。
とりあえず第一交通は大阪府内で、グループ保有車両の約7割にあたる600台にDiDiの端末機を設置し、トライアルでサービスを開始する予定で、ドライバー教育などDiDiのサポートを受ける。また大阪での利用傾向を分析し、他地域への展開につなげる意向だ。