NEXT MOBILITY

MENU

2024年6月25日【MaaS】

ダッカの3輪EV電池交換網、350万ドルの資金調達

坂上 賢治

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

バングラデシュでバッテリー交換ステーションを展開するタイガーニューエナジー( タイガー/ Tiger New Energy )は、6月24日( バングラデシュ・ダッカ発 )、ADBベンチャーズから追加投資を含む通算350万ドルの投資を受けた。

 

タイガーは同投資により、バングラデシュ全土に於ける自社のバッテリー交換ネットワークの展開を加速。その結果、環境に優しいモビリティが促進され、バングラデシュ国内に対して大きな社会経済的利益をもたらすと言われている。

 

実際、今日のバングラデシュでは、何百万もの人々の生活が、日々、電動三輪を利用した移動に依存しており、賑やかな街中でクリーンエネルギーに取り組む新興企業のタイガーはバッテリー交換事業で、都市交通に於ける主たるエネルギー供給拠点として孤高の存在になっているという。

 

ちなみに先の大型投資については、昨年、シンガポールのベンチャーキャピタルのWavemaker Partners( ウェーブメーカーパートナー )が主導した250万米ドルのシードラウンドに、アジア開発銀行が主導するADBベンチャーズが100万米ドルの追加資金を提供。この投資ラウンドにより、バングラデシュ全土でタイガーのバッテリー交換ネットワークが拡大した。

 

 

そもそもタイガーは、ハーバード・ビジネス・スクール卒業生のニコール・マオ氏とイーウェイ・チュー氏というふたりの女性起業家により、 バングラデシュの都市交通部門を悩ませる炭素排出とエネルギー効率の悪さという差し迫った問題に対処するべく創業された。

 

そんなバングラデシュでは、全国で毎日約400万台の電動3輪車などの軽車両が1億 1,200万人以上の人々の移動ニーズを支えている。しかし当地の電動3輪車は、安価ではあるが、通算6~8か月程度しか継続して使うことしかできない鉛蓄電池を使用しているため、当地の差し迫った大量輸送のニーズに応えられずにいた。

 

 

そこでタイガーニューエナジーは、電動3輪車の鉛バッテリーを、フル充電済みのリチウムイオンバッテリーと交換する拠点ネットワークを導入。これにより充電待ちの無駄時間が解消され、輸送を生業としていた電動3輪・運転手の収入が60%も増加。都市交通の基盤が強化された。

 

加えて車載バッテリーの交換事業は、電力事情が不安定な当地に於いては停電時でもサービスの継続性が確保される他、バッテリーチャージングのインフラ自体が、同国内の分散型エネルギー貯蔵システム ( DESS ) としても機能している。

 

こうした取り組みについてタイガー・ニュー・エナジーのニコール・マオ共同創業者兼CEOは、「私たちの使命は明確です。それは国内の全ての人々にクリーンなモビリティ手段を提供することです。そうした意味で今回の資金調達は、私たちの技術とビジネスモデルの正当性が立証できたことのみならず、自国内に於ける二酸化炭素排出量の削減、持続可能な経済活動の促進、地域社会の生活向上へと繫がるものです」と話している。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。